2017年1月25日水曜日

下天の華 with 夢灯り/織田信長/夢灯り

松風雅也さん演じる織田信長の夢灯りの感想です。


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妻になるからと言って難しく考えるな。
おまえはそのままでいろ。
子供のような心で、
余を信じついてくればいい。

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鷹に猿、
立て続けに起こった動物による襲撃。
狙いは第六天魔王信長。

変化の術を使う者もいる、
獣を操る術もあろうよ。

そう言って彼は光秀に御前試合の開催を告げた。
優勝者への商品は、
彼の愛馬「鉄(くろがね)」。

自らの命を掛けて、敵の正体を掴むため。

そうして光秀が、
半兵衛が術を掛けている所を目撃したものの、
鉄を止めるべくくないを投げた、
七介の変じた彼女に疑いの目が。

更に安土の盾から伊賀に宛てた手紙と
忍法帖も発見され、
手紙の内容が謀反を示すものだった事から、
彼女への城内の不信は大きくなった。

そうして安土の盾を犯人だとする声が挙がり、
評定では伊賀攻めが言い出される始末。

けれど彼は気づいていたから。
全ては安土の盾を嵌める罠だと。

だからそんな声を一蹴し、
様子を見ると告げた。

その後、彼女を呼び出し告げたのです。

伊賀に帰るように…と。

今回の件では、助けるためとはいえ、
七介の姿で不用意にくないを投げてしまい、
騒ぎになった事は失態だと思う。
けれども、だからこそ、
一刻も早く犯人をあげたかったのに。

この件の対処には一切加われないまま、
伊賀へ戻る事を命じられた彼女。

何も一生戻るななどと言ってはいない。
半年もしたら戻ってくるがいい。

その間にすべてを片付けたかった彼。

安土の盾の名前が出た上に、
伊賀の忍者である事も知られている以上、
どうあっても彼女は巻き込まれてしまう。
ただの主従関係ならば、それでも構わない。
でも、彼にとっての彼女は、
もうただの忍びではなかったから。

何よりも大切で、傷一つつけたくない。
だから危険を承知で、
この城に置いて置きたくはなかった。

けれど彼が彼女を大事に想うように、
彼女もまた彼が大事だから。
こんな大変なときに、
自分ひとりだけが安全な場所にいるなんて
耐えられなかった。

鳥に変じ、
命じられるまま伊賀へと戻る道すがら、
紀伊へと向かう秀吉一行を見かけた彼女。
こっそりと聞いた話では、
彼の体の具合が良くないと。

いてもたってもいられず、
嫌な予感に突き動かされ、
再び安土城へ。

たどり着いたそこは、
半兵衛の策により、野犬に襲われていた。
その爪には猛毒が仕込まれており、
爪の餌食になれば即死してしまう。

慌てて彼を探した彼女は、
正面の野犬と対峙している彼の背後から、
野犬が迫りくるのを発見。
慌てて忍びに変じ、くないを投げたものの、
僅かにその爪が彼をかすめたように見えた。

短くうめいた彼は、
着物が裂けただけよ…と笑う。

そうして彼女も加勢し、
野犬の対応をするも、
数が多すぎてキリがない。
次第にみなの体力が消耗してきた。

そんな時、
どこかで高みの見物を
決め込んでいるであろう半兵衛へと
語りかけた彼の言葉に、
半兵衛が姿を表した。

半兵衛の術により、鎮まった野犬。
対峙する彼と半兵衛は、一騎打ちを。
あっさりと峰打ちで
半兵衛を負かした彼は、
その直後倒れてしまった。

そう、なんでもないと振る舞って、
平気な顔で戦っていた彼は、
僅かではあるものの、
野犬の爪に傷をつけられていた。
僅かな傷とはいえ、死に至る程の猛毒。
至急薬師が対応したものの、
今夜が峠と言われる状態に。

面会は絶たれた状態ではあったものの、
心配でいられなかった彼女は、
カエルの姿で彼の元に。

毒にうなされる彼の唇からは、
彼女の名を呼ぶ声が。

応えるように、姫の姿に変じた彼女は、
その姿のまま、一晩中彼の側に。
ただひたすら、
「行かないで」と泣きながら。

慌てて戻ったのに、
側にいたのに。
どうして守れなかったのだろう?
信長様がいなくなったら、
皆の夢はどこに行けばいいの?
私の想いはらどこに行けばいいの?
だからお願い、
信長様、どこにも行かないでください!

彼女の想い、
彼女より僅かに先に訪れた弟信行の想い、
そして控えの間にいる家臣たちの想い。
沢山の想いが彼に届いたのだろうか?
翌朝、昨晩の危篤状態が
嘘のように回復した彼。

その後、一晩中彼の側に
付きそっていた事が、
城内のものに知られた彼らは、
その仲を噂され、

信長様が雑賀の姫との縁談を断ったのは、
明智の姫と恋仲だったからだ。

と言われるように。

こうなったら今までのように、
逢瀬もしづらくて敵わん。

そう思った彼は、一つ提案したのです。
余と縁組をしないか?…と。

ずっと側にいるのなら、
形にこだわるつもりはない。
それでも従者であるより、
妻である方が都合がいいから…と。

ひどく軽く聞こえる言葉には、
彼の深い愛情が。
彼女が彼女らしく、
側で笑って居られるように…という。

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世界は広く面白い。
余はその先の先をお前と共に見てみたい。

長く険しいその道を共に歩めるのは、
ただ一人お前だけだ。

お前はこの大事な一生の中で、
ただ一人見つけた、余の華なのだから。