2017年3月31日金曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/ケント(CROWD SUSPENSE)

石田彰さん演じるケントのネタバレ感想です。


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君の事となると、
どうやら私は冷静では居られないようだ。


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ある日の冥土の羊。
彼以外お客の居ないその日、
サワが以前から提案していた
企画を試すべく、
彼相手に都市伝説のような怪談話のような、
怖い話を始めた。

いつも通る路地を歩いていた男の子が、
ある日、自分を追いかける足音に気付き、
確認してみるも誰も居ない。

そうして気づくと
足音は聞こえなくなる…を繰り返し、
ついに、その足音が
自宅まで追いかけて来た。

怖くなった彼は、慌てて家に入ると、
家の中からは生臭い匂いが。

恐る恐るリビングを覗くと、
そこには女性が蹲っていた。
そうして顔を上げたその女性に、
男の子は連れ去られてしまった。
以来、その路地を通る時、
折足音が付いてくるんだとか。

そんな話を聞いた彼女。
その日の夜、冥土の羊からの帰り道、
気づいたらあの話の路地を歩いていた。
耳を澄ませば聞こえてくる足音。

これはあのお化けかもしれない!?

怖くなった彼女は、
オリオンとともに必死に逃げ、
オリオンの助言に従い
公園のトイレに駆け込んだ。

中の鍵を掛けて一息ついたのもつかの間、
今度は扉を叩く音が。
怯える彼女の為、
外の様子をオリオンが伺うと、
恐ろしい形相の女が、
トイレのドアを叩いて居ると。
怖いのでそのまま中でじっと待っていると、
女は諦めたのか、そこから去って行った。

慌てて外に出た彼女は、
人通りの多い道に出て彼に電話を。
心配して駆けつけてくれた彼が、
幽霊など居ないことを証明しよう
…と言い出した。

そうして、翌日、
サワが行方不明になった事が判明。
心配になった彼女は、その夜に彼と墓地へ。
墓地にまつわる怪談話が
単なる噂に過ぎない事を確認することで、
幽霊が居ない事を証明すると言う彼。

所が二人で墓地へ行くと、女性の悲鳴が。
彼女を怖がらせまいと、
一人彼女をその場に残し、
悲鳴の方向へと向かう彼。

けれど夜の、しかも首を吊った、
女のお化けの話を聞いたばかりの彼女は、
一人になった怖くて堪らない。

そんな時、人が動くのを見つけた彼女。
オリオンがサワちゃんかも?と言うので、
彼には待っているように言われたが、
少しだけその人影を追いかけてみる事に。

けれど、すぐに見失ってしまった彼女は、
元の場所に戻ろうとするのですが、
また足音が追いかけて来るではないですか。

怖くなり建物の中に逃げ込んだ彼女。
そこは墓地の管理棟のような場所で、
そこから彼に電話をした所、
彼も心配して探してくれていたのだが、
直後、その建物の窓ガラスの
割れる音とともに電話が切れてしまった。

驚いた彼。
自分の行動を後悔しつつ、
電話から聞き取れた情報を整理し、
急ぎ管理棟へと向かう。

彼女を怖がらせたくなかった。

自分の願いはそれだけだったのに。
幽霊が居ない事を証明出来れば、
不審者の警戒は必要なものの、
幽霊への怯えを取り除いてやる事が出来る。
そう思い墓地に連れてきたのに。

夜の墓地だと言うだけで怯える彼女を、
危険だからと言う理由で一人にしてしまった。
その事で、今彼女が何者かに狙われて居る。
全ては自分の行動が招いた事態。
だから、無事で居てくれ。
君が無事で居てくれさえすれば、
後でどんな罵倒の言葉も甘んじて受けよう。


そう祈るような気持ちで走る彼。

すると、同じように必死に走る彼女と
無事に合流を果た。

行方不明のサワは、風邪で寝込み、
ケータイの充電器が壊れて
音信不通になっていたとわかった。
また、彼女を追い掛けた足音の正体は、
店長に誘いを断られ泣きはらしたミネが、
彼女に話を聞いて欲しいと、
暗闇の中追いかけて来た上に、
トイレに逃げ込んだ彼女を
さらに追い詰めたものだった。

後からその行動が行き過ぎていると
反省したミネでしたが、
恥ずかしくて本当の事を
言い出せなくなっていたと言うもの。

それでも不審者の事は心配だし、
何より、あの事件以来、
もっと彼女のそばに居たいと
思うようになった彼は、
バイトの帰りのお迎えだけでなく、
時間の許す限り、朝も送ってくれるように。

イギリスに立つまでの残り時間は僅かだが、
事件をきっかけに、
互いを思う気持ちがより強くなった二人は、
素敵な時間を過ごした事でしょう。

2017年3月30日木曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/シン(CROWD LOVE)

柿原徹也さん演じるシンのネタバレ感想です。


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頑張ってるおまえを見てたから、
オレも頑張らなきゃって思えたんだ。


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家庭の事情から一時は
大学を諦めた事もあった彼だったが、
彼女の頑張りに感化され、大学受験を決意。
奨学金で通う為、
上位30位以内で合格しなければならなかった。

そんな難関も突破した彼だったが、
入学後も同じように
努力し続けなければならない日々が
待っている。

それでも彼女に寂しい思いをさせたので、
一週間オフにするという事で、
彼女と共に冥土の羊でアルバイト。

そこで店長からもらった信濃旅行。
あそこには悲しい思い出があるから、
彼女も行くのがいやだろうし、
自分もあまり乗り気じゃない。

そう思っていたのに。
楽しい思い出で塗り替えたい
そう言い出した彼女の言葉に
後押しされて、二人は信濃へ。

一方彼が合格したら
もう一歩彼に近づこう!と、
そんな決意をしていた彼女。
だから合格のその日に、
プレゼントは私
なんて言ってはみたものの、

誰に吹きこまれたんだ?
本気にする所だった。


…と、受け入れてはもらえない。

よく考えろ
彼はそう言うけれど、
よく考えても分からなかった。
彼の事は大好きだから、
ずっと一緒に居たいし、
いつも傍に居たい。

散々考えて出た答が、
試してみよう!というものだった。

信濃路では、
ケントやイッキが色々と仕組み、
幽霊騒動まで持ち上がったお陰で、、
そんな心の内を彼に話す事が出来た。

そんな彼女の言葉に
彼がその気になった時、
人の気配に気付いた彼は、
お化け探しを開始。

すぐに犯人の正体に気付いていた彼は、
アッサリとイッキ、ケント、リカを発見。
その後、みんなとゲームを楽しむと言う流れに。

ずっとトーマとしか
親しくしているのを見た事がなかったから、
イッキやケントにからかわれ、
楽しそうにしている彼を
見ている事に喜びを感じた彼女。

それでも本音はやっぱり寂しい。
だって小さい頃から
二人を見守ってくれた
優しいお兄さんだったから。
そんな大事な幼なじみの一人が
欠けている今だから。

それは二人共
心のどこかに抱えていた気持ちだった。

旅行から戻った二人は、
そこでもう一人の幼なじみの話を。

その後、帰宅した彼女の元に、
トーマから電話が。
大怪我したって聞いたけど、
大丈夫なのか?
と。

そう、それは彼が仕組んだもの。
彼は、彼女にトーマと
話をさせてあげたかった。
だから自分の親に
彼女が大怪我をしたと嘘をついて、
それをトーマの親に伝えて貰い、
そこからトーマの元に嘘の情報が
届くように仕組んだのだ。

けれど、そんな彼の嘘が、
あの事件の真相が暴かれて以来、
音信不通状態の大事な幼なじみと、
再び道をつなげてくれた。

そんな彼の想いが、優しさが嬉しくて。
いつもこんな風に
ずっと彼に守れられて来た事が嬉しくて。
彼が好きで好きで堪らない。

だから彼女は彼の家へと走りだした。
そうして彼にお礼を告げた後、
シン、大好き!」と、
思わずその唇にキスをした。

あぁ、そうか。
大好きって気持ちがあふれると、
キスしたくなるんだ。

そんな事に気付いた彼女。

-----

その後、4年の月日が過ぎ、
その日は彼の司法試験の合格発表。
苦労していい成績で入学した彼は、
その後も努力を惜しむ事なく勉学に励み、
最短で司法試験に合格。
将来は検事になる予定。

彼女はと言えば、幼稚園の先生として、
教育の仕事にやりがいを見出していた。

そうして合格した彼に、
再び「お祝いは私」と言った彼女。
また軽くあしらわれると思いきや、
彼は「じゃあ、それで」と
そのお祝いを受け取ったのだ。
そうして、「結婚しよう
の言葉を彼女にくれた。

翌日、二人で彼の教授に
合格のお知らせに大学へ。
その帰り道、
オリオンの姿を見つけた彼女。
オリオンと分離した時に、
オリオンの事は忘れているハズなのに、
知っている気がする」と、
オリオンの向かった方に、
彼と共に向かってみると、
そこには、同じように
司法試験に合格したトーマが、
教授に合格を知らせに来ていた。

そんなオリオンの計らいで、
久々の再会を果たした三人。
初めは少しギクシャクしたものの、
二人が自分を受け入れたくれた事で、
少しずつ幼なじみらしさを取り戻したトーマ。

そうして三人で彼とトーマの合格を祝い、
一緒に飲むことに。

まだ少し時間はかかるかも知れない。
頻繁に会える関係に戻るのも
すぐには難しいかもしれない。
それでも今までのように、音信不通ではなく、
今度は互いの近況報告なども取り出来る、
そんな関係になれた三人。

もう少し先の未来、
もっと彼ららしい素敵な距離を見つけ、
そうして長く続いていく
関係になれるかも知れない。

-----

その数カ月後、結婚した二人。
式でまとったヴェールは
トーマからのお祝いの品。
彼女を好きだった為、
あんな事件になってしまったトーマだったが、
二人の事を彼なりに祝福してくれたのだ。

結婚式では、衣装替えで
席を立つ彼女のエスコート役まで、
引き受けてくれたトーマ。

あの再会を機に、本当に少しずつ、
三人の関係はいい方向に進んでいる様子。

気がかりだった幼なじみにも祝福され、
二人はこれからも
ずっとずっと共に幸せに
歩いていく事でしょう。

2017年3月29日水曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/シン(CROWD SUSPENSE)

柿原徹也さん演じるシンのネタバレ感想です。


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おまえはオレにとって、
宝物みたいに大切な存在なんだ。


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記憶を失ってしまった彼女。
そんな彼女にとって、
生まれた時から一緒で、
幼なじみで大切な存在で、
恋人で…という自分の感情は、
重すぎるんじゃないか?

優しい彼は、そんな事を気にかけて、
あまり彼女に気持ちを伝えられなかった。

更には彼女が記憶を失うキッカケになった
…とみんなが思っている信濃での事件。
その件で、彼は薄々犯人が
トーマだと気付いていたから。
それを彼女に悟られて不安にさせる事なく、
それとなくトーマが犯人である証拠も探したい、
なんて事も考えていたから。

だから彼女に
色々と知られる訳にはいかなかった。

ただでさえも記憶を失くして不安だろうに。
余計な心配掛けてどーすんだよ。


そう思った彼は、
全てを一人で背負い込んで、
そのまま警察に疑いを掛けられ事情聴取に。

そんな彼を心配している彼女が、
ある日のバイト帰り、
夕焼けに見とれながら思い出した記憶。
その記憶に導かれるまま走りだして、
気付いたら工事現場のような
建物の崩落事故に巻き込まれ、
脱出不可能な状態に陥っている
…なんて事も知らないまま。

事情聴取はまだ続くから、
ハッキリと潔白が証明されるまで、
会うのを控えよう。

彼はそんな風に考えていた。
だって、会ってしまって、
甘えてしまったら、
歯止めが効かなくなってしまいそうで
怖かったから。

それでも事情聴取と言う名の
脅迫に疲れた彼は、
部屋を外から眺めるだけでも…と、
彼女の家に。

辿り着いたそこにはウキョウが居て、
店を休んでいる事や、
家も留守にしている事を聞かされた彼。

心配になり、冥土の羊で訊ねてみると、
彼の事件の事を調べたいからと
数日休みを取っている事が判明。
自宅を調べてみると、
普段使っているバッグや帽子などがない事から、
自主的に外出した事も判明した。

ただ、電話を掛けても出ないので、
どこにいてどんな状態なのかが分からない。

彼女のことを最初に教えてくれたウキョウは、
話の途中でモードが切り替わり、
俺が殺す前に死んでくれたんだ
のような不穏な言葉を発して、
どこからどう見ても不審人物な上に、
どうやら彼女を狙っている様子も見て取れた。

そんな事もあった為、心配になった彼は、
トーマに相談。
二人で彼女を捜索することに。

電話を時折掛けてはみるものの、
掛けられた彼女はと言えば、
無事ではあるが、
瓦礫に出口を塞がれて出る事も叶わない上に、
ケータイが瓦礫の下敷きになっていて、
電話にでる事も叶わない。

ケガをしているし、
飲み物も食べ物もない状態で、
辛い中、それでも力を振り絞り、
閉じ込められたそこを調べた所、
どうやら店だった所だと判明。

店内を捜索した事で
見つかったメジャーを使い、
ケータイを取り出す事が出来た彼女は、
深夜に彼に電話を。

彼女が帰宅するかもしれない
…という期待の元、
彼女の部屋で仮眠を取っていた彼は、
すぐに着信に気付いて、彼女の無事を確認し、
彼女の居場所のヒントも手に入れた。

所が、正確な場所は彼女も分からず、
お店で工事現場のようになっている
…という情報のみ。

それでも色々な手段で捜索を試みるが、
トーマと二人、
結局成果を上げる事が出来ないまま、
一日が終わってしまった。

翌日も何も手がかりになるものを見つけられず、
もう自分が犯人と疑われてもいいから、
警察に動いてもらうしかないかと思った矢先、
電話で彼女と話していると、
彼女との通話が突然途切れた。

それでも冷静に思い返し、
電話越しに聞こえた
メロディーを思い出した彼。

そう、それはザリガニ公園から聴こえる曲で、
夕方のある時間になると、
子供達に帰宅を促す為に
流される曲だった。

小さい頃、探検ごっこをした時も、
迷子になってしまった彼らは、
その曲に導かれ、
無事にザリガニ公園に辿りいた事があった。

彼女の見た記憶は、その探検ごっこ。
その時、迷子になった
メンバーの中の何人かが、
原因はシンくんだと彼を責めた。
けれどそんな彼を彼女は必死に庇った。

シンくんは優しくていい子だよ。

彼女の言葉に、

変なの?
シンの事好きなのかよ。


…という子供達。

へんじゃないよ、大好きだよ。
シンくんが大好きなの!
シンくんは悪くないんだもん!!


大声で言い泣き出した彼女。

そんな思い出を彼も思い出して、
そうしてザリガニ公園の近くに、
探検の時本部と勝手に呼んでいた
駄菓子屋を思い出した彼。
現在は取り壊され、そこはビルになり、
その地下がスーパーだった事を思い出した。

そうして彼女の居場所を突き止め、
瓦礫を崩して無事に救出してくれた彼。
大切な思い出を互いに思い出しながら、
無事に再会を果たしたのだった。

その後、二人で改めて現場に。
近くのコンビニで駄菓子を買って、
トーマも呼んで
三人で食べようという彼。

変わらないままで居るのは無理だけど、
変わらずに大切にしたいものも
あるって思うから。

幼なじみの関係を壊したがっていた彼が、
そんな事を口にしてくれたのだった。

そうして彼女に
色々な想いを話してくれた彼。
ずっと重いと思って遠慮していた事が、
逆に彼女を不安にさせたから。
だからこれからはちゃと伝えよう。
どんな想いも言葉にして。

2017年3月27日月曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/イッキ(LATER After Story)

谷山紀章さん演じるイッキのネタバレ感想です。

※引っ越しに際し、加筆修正を試みましたが、
 元の文が残念過ぎて、
 結局読みづらく伝わりづらい仕上がりで
 申し訳ありません。


-----☆★☆-----


君と出会った三年前から、
僕の願いは一つだけ。
君とずっと一緒に居られますように…。


-----

女の子にモテますように。
小さい頃そんな事を願ってから、
ずっと彼の目を見ると女の子が騒ぎ出し、
彼を好きになってしまう。

そんな騒がしい日々の中、
女性との付き合いも軽く見るようになり、
三ヶ月交代で
順番に告白して来た女の子と付き合う
…なんて事もしていた彼。

けれど、彼女との出会いが彼を救った。
今ではFCは解散し、
そっと彼を見守ってくれる存在に。

そうして彼女と暮らし始めた彼は、
彼女には内緒にしていた事が。
それは解散したハズのFCの子が
彼に直接電話を掛けて来たり、
まだ完全にその活動が
落ち着いた訳でもはく、
自分へ向けられる好意も
変わらずという、
表向きだけ解散という状態だという事。

それでも一緒に暮らし始めた彼女に
心配を掛けたくなくて、
ただ一人それを背負い込む彼。

夜共に寝るときに、
彼はいつも彼女に愛を囁く。
ねぇ、言ってよ。一緒に寝たいって
毎晩毎晩そう囁く彼。

勿論彼女だって、彼が好きで、
少しでも彼の傍に居たいから、
一緒に寝たいと言いたい気持ちはあるけれど、
その半面、怖い気持ちも。
そんな風に言ってしまったら、
一緒に居るだけでもドキドキするのに、
どこまでも翻弄されてしまう気がしたから。

そうして迎えた彼のゼミの合宿の日。
バイトを終えて帰宅しようとした彼女の元に、
FCの女の子達が現れた。

決して意地悪をしに来た訳ではないものの、
強引とも言える誘いに、
困っていた所にリカが。

彼女に助けられ、
今FCがどうなっているのか?
…などを彼女に聞かせてくれた。
いつも大変な思いをしている
彼の負担を、少しでも軽くしたいと
考えてリカが作ったFCは、
確かにやり方に少し間違っていた所は
あったかも知れないけれど、
彼の負担を軽くしていたのも事実。

そうして彼女が知らない苦労までも
知っているリカを、少し羨ましくも思い、
自分ももっと
彼の助けになりたいと思った彼女。

彼のゼミが終わった日、
二次会的な飲み会に誘われた彼は、
彼女も来るかもよ?
と言ったFCの女の子の言葉に、参加。
一方彼女も彼が来るからと、
誘われて居たが、
心配を掛ける事になるだろうと断っていた。

彼の参加理由は彼女のため。
彼女が誘われたりする事を心配して、
そんな事をしないで欲しいと、
FCの子たちに直接話をする為。

その後、リカの協力もあり、
彼女と仲良くなる事で、
彼に会えるようにすると
そんな作戦を考えていた一部のメンバーは、
その考えを改めてくれるように。

また彼女の父も、
彼との暮らしを快く思っておらず、
再度自分たちと暮すようにと言ってきが、
その時も彼が父と話をしてくれた。
彼女に対する自分の気持ちは本物で、
彼女が大学を出たら、
結婚しようと考えている
…と。

そんなまっすぐな想いと、
彼の決意に心を打たれた父は、
娘を彼に託す事に。

そうして彼女の卒業後、
満天の星空の下、夜の結婚式。
彼の目の事があるからか、
式の参列者いない、
新郎と新婦二人きりの結婚式。

美しい星空の元、
流れた星に二人で願いを。
彼女の願いは
イッキさんの目が治りますように」。
それは彼と出会ってから、いつも願ってきた事。
だって、そうする事で、
彼の暮らしが平穏なものになるハズだから。

一方彼もまた昔は同じ事を願っていた。
けれど、三年前彼女と出会ったあの日から、
彼の願いは変わっていた。

だって、もう平穏な生活は手に入れているから。
彼女という存在が、
自分を癒やし、穏やかな時間をくれるから。

だから彼は願う。
ずっと彼女が自分と共にあるように…と。

そうして彼女にも
ねぇ、君も僕と一緒に居られるようにって願って
と囁く彼。

重なった2つの願い。
これからも二人は互いに支えあい、
寄り添い合って、
その願いを叶えて行く事でしょう。

2017年3月26日日曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/ケント(LATER After Story)

石田彰さん演じるケントのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


彼女には正式に
結婚を申し込んでいないどころか、
まだキスも
一度しかしていないというのに。


周りが彼女を
まるで私の妻のように扱う事に、
どうしても違和感を感じてしまう。


それが彼の最大の悩み。

-----

共にロンドンに行く事も決まり、
学会の準備などで忙しいものの、
彼女とは幸せな時間を過ごしている彼。

所が、彼の両親と共に開いた食事会の時に、
一緒のアパートに住む事になっている彼女に、
自分の世話を頼む両親。
その態度や言葉が、
まるで彼女を自分の妻のように
扱っている気がして、
なんとも複雑な気分になってしまう。

まだ結婚を申し込んでもいないのに…と。

そして何より引っかかっているのが、
キスですら一度しかした事がないという事。

ひたすら勉強や研究ばかりで、
恋愛経験などない彼は奥手で。
それでも彼女と共に過ごす時間が増え、
そんな中で彼女の見せるふとした表情に
愛おしさを覚えると、
抱きしめたい、くちづけたい
…そんな衝動を覚えてしまう。

けれどそれをいざ行動に移したとして、
彼女は嫌ではないのだろうか?


考え始めると
いつもただ無言になってしまい、
結局彼女に
私、何か気分を害してしまいましたか?
などと、心配をされる始末。

そんな悩みを抱えたまま、
ロンドン行きを控え、
生活能力を高めよう!と、
料理の勉強を始めたケントさん。
先生は彼女で、最初の献立は肉じゃが。
それを共に作り、二人で食べたその日、
彼はついにその悩みを打ち明けた。

そうしてついに二度目のキスを
…というタイミングで、
弱火にかけていた肉じゃがの
タイマー音に邪魔されてしまった。

食後、気を取り直して
夜空を眺めながら、
もう一度挑戦しようとしたのに、
今度は教授から電話が入り、
また二度目のキスはおあずけに。

恋愛には段階があり、
その段階を経た上で求婚しよう

…と考えていた彼。
けれど、なかなかその段階を
経る事が出来きずに居た。

そんな頃、
彼女はイッキから
彼の誕生日の事を聞いた。
自分の誕生日など無頓着な彼の為に、
密かにサプライズパーティーを
計画する彼女。

そうして迎えた誕生日当日。
そうとは知らずに訪ねて来た彼は、
彼女が祝おうとしてくれた事、
彼の為に沢山の料理を作ってくれた事、
そして彼を祝う為に
プレゼントを用意してくれた事に、
とても喜んでくれる。
ケーキはあいにく
失敗してしまったものの、
彼女と料理をして以来、
すっかり料理にハマった彼が、
今は密かにお菓子作りをしているとかで、
ケーキを焼いて持ってきてくれていて。
それにローソクを立てて、お祝いする事に。

誕生日を祝う事に不慣れな彼に、
ローソクの火を消す前にお願いをする
…と教えた彼女。
言われるがまま彼は
二度目のキスが今夜出来ますように
と可愛い願いを。

そんな彼の可愛い願いは、
その直後に無事叶えられた。

その後、料理のレシピを
書いているノートに、
レシピを考えて
煮詰まった時に
書いていたプロポーズの作戦を、
偶然彼女に見れてしまった彼。

内容を音読れてしまい、困惑するものの、
これは絶好のチャンスかもしれないと、
そのままプロポーズ。

勿論ずっと彼と共に居たいと
願うのは彼女も一緒。
彼のプロポーズは大成功となった。

そうして無事に
ロンドンでの生活が始まった二人。
なれない土地での暮らしは
大変な事も多いかも知れない。
それでも互いが互いを支え合え、
信頼しあっている二人だから、
きっと幸せな日々を
積み重ねて行く事でしょう。

2017年3月24日金曜日

逢魔が刻~かくりよの縁~

189本目の乙女ゲーム。
文化放送eXtendさんのPSVita用ソフト。

両親が忙しく
海外を飛び回る生活をしている事から、
祖母に育てられた彼女。
彼女の祖母はとても信心深い人で、
幼い頃より、神社の掃除を一緒にしたり、
物にも魂が宿っているから
大切に扱うように…と教えられたりした。

祖母が亡くなった今も、
両親は相変わらず仕事が忙しく、
彼女は現在高校生ながら一人暮らし。

いつものように
幼馴染で先輩である柏木の
生徒会の仕事を手伝った逢魔が刻の帰り道。
突然のめまいに襲われた彼女は、
気づくと幽世へと誘われていた。

人ならざるものの住まうそこで、
聞こえた声に導かれ
たどり着いた先で出会ったのは木霊。

彼はその特性故に
人の声をなぞった時以外、
彼の声は誰にも届く事がなかった。

けれど、彼女には、彼女だけには、
どうしてか彼の声が聞こえたのだ。

驚く彼に連れられて向かった鎮守学舎。
人が一人で生きていくには、
危険すぎる幽世で、
彼女を保護してくれるというそこで、
幽世について学びながら、
夜警隊として幽世の治安を守る事になった。

幽世で出会った仲間達と共に、
夜警隊として幽世の治安を守りながら
現世へ戻る方法を探すと決めた彼女を
待っている未来とは?

-----

攻略キャラ
 ・颯(cv.細谷佳正さん)
 ・常磐(cv.斉藤壮馬さん)
 ・礎奏太(cv.石川界人さん)
 ・宵宮(cv.高橋直純さん)
 ・月白(cv.諏訪部順一さん)

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礎奏太
宵宮
・月白(ネタバレなし)
常磐

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。


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凄く面白かったです。
共通が長い感じはありますが、
2周目以降は選択肢までジャンプする機能もあるので、
それを使って結構すぐ個別に入れて助かりました。

共通は長いですが、
個別もしっかりと長さがあるので、
丁寧に描かれていると好意的に解釈出来ました。
主人公や攻略キャラの心の動きも、
丁寧に描写されているので、
プレイしていて置いていかれる感じも全くなく、
とても好ましく思いました。

伏線かな?と思われる部分は、
すべて綺麗に回収されていて良かったです。
また、「これも伏線だったんだ」と
後々驚く事まで綺麗に拾われてて、
とても丁寧に作られている感じがしました。

文章がとても綺麗で、
言葉の使い方とか漢字の選び方とか、
個人的にとても好みでした。
表現の仕方もとても美しかったです。

音楽も世界観にあっていてとても素敵で、
スチルも綺麗でした。
スチルの数も不満のない枚数だったように思います。

…と、個人的には満足要素ばかりですが、
長い事に関しても、
人それぞれ感じ方は違いますし、
ゲームに対して求めているものも違う。
そういう意味では、
私がプラスと捉えた要素を
マイナスに感じてしまう方もいるかと思います。

・シナリオがしっかりしているものが好き。
・日本語が好きで、日本語の美しさが好き。
・登場人物の心の動きは丁寧に描いて欲しい。

…と言う感じの方にオススメしたい作品。

気になる部分は、
タッチへの反応がやや鈍く感じる所。
オトメイトさんなんかに比べると、
若干読み込みが遅い部分もあるかな?
という所。
名前を変えてしまうと、
名前の部分は綺麗にスルーされ、
代名詞などが入らないので、
気持ちが悪い所。

こんな感じでしょうか?

でも、eXtendさんは初めての作品なので、
気になる部分がこれくらいで、
この内容ならば文句なしかな?と思いました。
名前を変えるとその部分は何もなくなり、
スルーされちゃう作品なんて、
結構沢山出会いましたからね、今まで(笑)

デビュー作でこれだけのものを作ってくれたので、
今後もどんな作品を作ってくれるのか、
凄く楽しみになりました。
今後もeXtendさんの作品、期待しています!


オススメ度:★★★★☆
個人的満足度:★★★★★

2017年3月23日木曜日

鏡界の白雪/在間虚

逢坂良太さん演じる
在間虚さんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


どの僕も、
あなたが思うよりもっと前から、
あなたの事が大好きだった。


-----

在間虚。
空っぽの少年。
感情がないわけではないが、
何か思いが溢れて来ても、
それはまるで
シャボン玉のように消えてしまう。
だから何にも興味が持てなくて、
すべての事がどうでもいい。

それはまだ彼が幼かった頃。
その頃彼は、
本当の彼を失くしていなくて、
ただ少し内気で、自分の感情を出すのが、
得意でなかっただけの男の子。

幼いながらも、
そんな彼が一大決心をして、
小さな冒険へと家を飛び出した。
けれど、途中で道に迷って困っていると、
どこからともなく甘い柘榴の香りが。
その香りに誘われるように
たどり着いた所は教会で、
教会脇の木のしたで、
女の子が本を読んでいた。

その子の本を覗き込んだ事で仲良くなり、
彼女は彼に柘榴をくれたのです。
その時の彼女の笑顔が忘れられず、
多分、それが彼の初恋。
まだその頃は、
彼には感情があったから。
シャボン玉のように
消えたりしなかったから。

けれど、ある日、
彼の人生は大きく変わってしまう。
あの教会の木の側にいた彼は、
ある日、本当の彼を奪われてしまった。

本当の在間虚を奪ったのは鏡界の女王。
その正体はあの柘榴をくれた女の子。
その子があの木から落ちたとき、
もう一人の自分と共に
死んでしまうハズだった。
けれど、お母さんの呼ぶ声に応えるように、
彼女は母のもとへ。
もう一人の自分を残したまま。

引き裂かれた二人、
彼女から離れたもう一人の彼女は、
たまたま側にいた彼を
通り抜けてしまった。
もう一人の彼女が存在し続けるために、
通り抜けるときに、
彼の中から本当の彼を奪って。

そうして彼からは本当の彼が消え、
彼は何も持たない
空っぽの在間虚になってしまった。

突然本当の自分が消えた彼。
その様子に家族は驚き、
けれど最終的に、
感情らしい感情を
見せない子供を気味悪がり、
彼は一人なってしまった。
そのせいだろうか?
彼の中には新たに2つの人格が生まれた。
『俺』と『私』の2つの人格が。

何にも興味の持てない空っぽの彼は、
高校を卒業する頃、
卒業後の進路について親に尋ねられた。
でも、何にも興味が持てず困っていた所、
たまたま眞記さんの骨董屋にたどり着いた。

何度もそこに通っているうちに、
彼は眞記さんの所で暮らす事に。
親の所は居心地が良くなかったから。

そうして眞記さんの家で、
部屋の中に
実家で育てていた柘榴を持ち込み、
柘榴を育て、売ることに。

何にも興味がなかった彼が、
ずっと育てていた柘榴。
それは記憶がないながらも、
子供のときに
柘榴をくれた彼女の笑顔や、
あの甘い柘榴の匂いを
覚えていたからかもしれない。

そうして売り物に出来ない
柘榴を配っていた彼と、
柘榴が大好物の彼女は博物館で出会った。

その後、
度々柘榴を買いに来てくれる彼女と、
彼はいつしか親しくなった。

でも、彼は眞記さんの店で女王に出会い、
本当の自分を返して欲しかったら、
女王を手伝うように…と言われていた。
その内容が、彼女を連れ去る事。
女王は彼女を欲していた。
体から引き離され、
一人された事を恨んでいたから、
だから体を彼女から奪ってやろうと考えて。
だから彼女と親しくなったのは、
本当に彼の意思ではなかったかもしれない。
それこそ、最初は女王の命令で、
彼女のに近づいていたのかもしれない。

けれどいつからか違っていた。
だって、鏡界で
彼女と出会っていた彼の中の彼ら、
俺も私も、彼女をとても気に入っていたし、
女王から守りたいと思い始めていたから。

その後、彼女の体を求める女王にとって、
彼の中の二人の人格は邪魔だからと、
女王の魔法で眠らされてしまった俺と私。
彼女を認め、彼女を愛していた人格が、
女王により眠らされたからか、
彼からは、少し見え始めた
感情が消えてしまった。
まるで出会った頃のように。

何度も何度も二人で時間を重ね、
少しずつ彼が笑顔を
見せてくれるようになっていたのに。

それでも彼を救いたいと
願う彼女の思いが、
彼を、そしてひとりきりで
苦しんでいた女王をも救い、
彼の中に本当の彼が戻って来た。

溢れ出す感情。
俺の想い、私の想い、
それらが流れ込んで来て、
彼はどれが本物か
わからなくなってしまった。
どれが在間虚なのか?

僕は俺?僕は私?本当は誰?

どれも虚くんだよ。
全部虚くんだよ。


すべての人格を受け入れ、
すべての人格を
愛してくれた彼女の言葉に、
彼はやっとすべてを
受け入れる事が出来るように。

俺も私も、
顔をだす事はなくなってしまったけど、
でも確かに彼の中に存在している。
だって、本当の自分を取り戻した彼は、
今までとは全然違っていたから。
それは俺のようであり、私のようでもあった。

-----

あの日、木の下で、
柘榴をもらったときのあなたの笑顔に、
僕は恋をしていたのかもしれない。
そう、それが僕初恋。


やっと会えた。
ずっと会いたかった。

2017年3月21日火曜日

鏡界の白雪/墨府刺君

松岡禎丞さん演じる
墨府刺君のネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


アンタの代わりに、
この柘榴の花式図にキスをする。
アンタに会えない時も寂しくないように。

-----

諸事情により、
あまりに時間をかけ過ぎたのと、
一度失敗してやり直したので、
すっかり力を奪われた為、
ネタバレを箇条書きで。

手袋は、手首の傷を隠す為のもの。
痛みを感じたくて、今日こそは…と、
起きるたびに毎回左手首を噛み、
治らないうちにまた噛んで…を繰り返し、
傷が治らなくなり、
見て気持ちのいいものではないので、
手袋で隠している。

医師免許を持って彫り師をしている。
痛みを感じない自分が、
人の痛みを治す医者と言う仕事は
無理だと思ったから。

腕のいい彫り師で、予約は一ヶ月待ち。

痛みを感じることが出来ない自分は、
人間じゃないと思っていたのか、
彼女のお陰で痛みを得た時、
俺を人間にしてくれた…と思っていた。

彼女は、彼が人に与えた
全ての痛みを背負う代わりに、
彼に痛みを与えると言う、
鏡との取引に応じてしまった。

痛みを得た後は、
その痛みで生きていると
実感できるのが嬉しくて、
中毒みたいに痛みを求め、
夜な夜な繁華街で喧嘩を。

彼女が彼を恨んでいる
郷田と言う彫り師にさらわれた時、
助けに来て、自分が人に与えた痛みを、
彼女が肩代わりしていた事を知り、
自分が結果的に彼女を傷つけた事を悔いて、
郷田にいいようにやられてしまう。
それを左慈くんが通報し、
世裏さんが警察を
引き連れて来てくれた事で、
事なきをえる。

怪我でしばらくスタジオを
閉めていた彼は、
ケジメとして痛覚が戻った自分の、
傷のある左手首に彼女にちなみ、
柘榴の花式図を自分で彫る。

今までは手首を噛む事で
始まっていた1日。
けれど、これからは
柘榴の花式図にキスをして、
そうして1日を始める事にする決めた彼。

だって柘榴の花式図は
愛する彼女の代わりだから。

2017年3月20日月曜日

鏡界の白雪/欠屋左慈

斉藤壮馬さん演じる
欠屋左慈くんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


君の行動は、
僕の幸せを願っての
事なのかもしれないけど、
君の居ない世界に、
幸せなんてあるはずないんだよ。


-----

母親は夫に依存してしまう女性で、
彼が生まれて間もなく、
父と離婚する事になり、
幼い彼を憎んだのです。
この子のせいで父に捨てられた…と。

父に依存しないと生きて行けない
弱い人だったから、
だから、心が壊れてしまっただけ。
母も被害者で可哀想なのかも知れない。

そうして、幼い息子を恨んだ母親は、
彼を見なくなってしまった。
もう、母の目には兄の右愛しか映らない。

だから、ご飯も右愛の分しか作らず、
お母さん、左慈の分は?
そう尋ねる息子に、

左慈は悪い子だから。
お父さんと行ってしまったのよ。
この家には右愛、あなたしか居ないわ。


彼はちゃんとそこに居るのに。
母に見て欲しい、愛して欲しいと、
幼い声を精一杯あげているのに。
彼の声はついに母に届くことがなかった。

そうして一度も存在を認めてもらう事なく、
愛してもらう事もないまま、
彼の母はこの世を去ってしまった。

一度も母親に愛されず、
存在を認めて貰えなかった彼。
そして、もう二度と
母親に愛して貰えない。

その事が原因で、
愛に飢えたまま18になり、
女の子に優しくされたいと言う理由で、
ホストの職に就いた彼。

愛に飢えるが故に一人を恐れ、
兄の居ない家に、
一人でいる事ができないから、
お客である女の子を
代わる代わる家に連れて帰り、
抱き枕と称しては添い寝してもらう日々。

誰でも良かった。
ただ一人が強かった。
寂しくてたまらなくて、
一人では居られなかった。


そんな時に出逢った彼女。
優しい彼女は、
彼の無理なワガママにも、
困った顔を見せながらも
付き合ってくれた。
アップルパイも焼いてくれた。
彼女の作るそれは、
優しくて温かい味がして、
食べると飢えた心が
満たされるような気がした。

そんな彼女と何度も共に過ごすうちに、
彼は気づいてしまった。
もう、誰でもいい訳じゃ
なくなっている事に。
一人は寂しい、だから彼女にいて欲しい。
彼女じゃなきゃダメなんだ。


そうして彼女と恋人になれて、
満たされた
穏やかな日々を過ごしていた彼。
けれど、そんな毎日は
長くは続かなかった。

彼女は、鏡界の女王に、
彼の狂気を解き放たなければ、
今は一時的に落ち着いているけれど、
また彼は寂しさに
耐えられなくなってしまう

…と警告を与えられてしまった。

どうすれば彼を助けられますか?

何より彼が大事だと思う彼女に、
女王は言った。

鏡界の彼に噛まれる度に濃くなる痣。
その痣が真っ赤に染まった時、
鏡界の彼は解き放たれ、
現実世界の彼と1つになる。


さらに女王は続けた。

けれど、彼の狂気を解き放った時、
今度は彼女が
鏡界から出られなくなる
…と。

彼の事は助けたい。
でも、自分と居ると幸せだと
言ってくれているのに、
彼の狂気を解き放つ為に、
自分が居なくなっても
大丈夫なんだろうか?


何度も自問自答を繰り返す彼女。
そうしてついに決心した。

目の前の幸せそうな彼が、
ずっとそのままで居られるのなら、
自分は彼に二度と会えなくても構わない。
彼の幸せが一番大事だから、
彼の狂気を解き放とう
…と。

そうして大晦日の夜、
とびきり楽しい時間を二人で過ごし、
彼と共に眠りについた直後、
彼女は鏡界へ。

すると今度は彼女と入れ替わるように、
鏡界の女王が、彼女の体の中に。

翌朝、目覚めた彼は
すぐに気づいてしまった。
彼女が彼女ではなくなっている事に。

そうして彼女の体を奪った女王により、
彼女は彼の為に鏡界に居て、
もう彼の元に戻る事はない
…と、
聞かされた彼。

最初こそ、彼女を失った悲しみから、
数日部屋に閉じこもってしまったものの、
彼女の事が気になり、部屋を出た彼は、
彼女の残したメモを発見。
それに導かれ、骨董屋へとたどり着き、
彼女の手紙を読んだ彼は、
彼女を取り戻す方法を骨董屋の男に聞き、
無事に彼女を取り戻す事が出来た。

彼女を取り戻した彼は、
現在は公務員を目指して勉強中。

忙しくしている兄の右愛のために、
彼の仕事を手伝いたい
…といつか話してくれた彼に、
ホストを辞めたら何をしたらいいと思う?
そう尋ねられた彼女が勧めた仕事。

まだ試験勉強している途中だけれど、
近い将来念願の公務員になり、
兄と共に区役所で働く日も遠くはないはず。

-----

公務員になれたら、
君の指に似合う指輪を探すから。
ねぇ、お願い。
一生僕だけの抱き枕で居て?

2017年3月19日日曜日

鏡界の白雪

166本目の乙女ゲーム。
オトメイトさんのPSVita用ソフト。

学芸員を目指している主人公は大学生で、
夏休みの課題の
レポートの為にと博物館へ。

鏡の展示を見た夜に、
彼女の部屋に
謎の手鏡がある事に気付く。
そしてその鏡からは、
鏡の精だと名乗る声が。

鏡の話によると、
最近出逢った人の中に
運命の相手が居て、
彼らの狂気は
鏡界の中に閉じ込められている。
そんな彼らを救えるのは、
彼女だけなんだとか。

果たして彼女は、
運命の相手を救う事が
出来るのでしょうか?

-----

攻略キャラ
 ・組島壊音(cv.杉山紀彰さん)
 ・心条無月(cv.杉田智和さん)
 ・混堂優等(cv.岸尾だいすけさん)
 ・墨府刺君(cv.松岡禎丞さん)
 ・欠屋左慈(cv.斉藤壮馬さん)
 ・善野世裏(cv.竹本英史さん)
 ・在間虚(cv.逢坂良太さん)
 ・王﨑眞記(cv.森川智之さん)

-----

欠屋左慈
墨府刺君
在間虚

※攻略した順番に記載させて頂いております。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


絵がオシャレ過ぎて、
私には合わないかな?と思ったのですが、
プレイしているうちに、
世界観にもあっていて、
これはこれでいいかな?
と思えるようになりました。

鏡界の事も、
最初は何だろ?と思いましたが、
虚くんや眞記さんのルートでは、
あの世界の事も分かり、
素敵だなって思えました。

主人公もいい子で、
好感が持てました。

キャラはルート分岐の都合上、
会えないキャラもいましたが、
みんな個性的で面白かったです。

シナリオがとても良かったので、
もっと攻略できそうなのですが、
現在の体調の悪さも手伝い、
とにかく寝落ちが多くて(笑)
なかなか進められないのと、
虚くんが本当に良かったので、
彼をおいて他の人攻略しづらいので、
三人ですが終了とさせて頂きます。

三人ともとても素敵でした。
攻略させて頂いた
三人に順番をつけるなら、

1.虚くん
2.左慈くん
3.刺君さん

…という感じ。
素敵な作品をありがとうございました。
楽しかったです。


オススメ度:★★★☆☆
個人的満足度:★★★★

2017年3月18日土曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/シン(LATER After Story)

柿原徹也さん演じるシンくんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


キスする度、拒否られるとか、
流石に傷つくんだけど。


-----

事件は無事に解決し、
この街に戻ってはいないものの、
トーマさんも日常に戻り、
ヒロインの通院も終わった頃のお話。

好きだから近付きたい、
おまえに触れたい、キスしたい。


そんな当たり前の欲求のある彼は、
彼女の隙を見つけてはキスをする。
けれどその度に
彼女の反応が気になってしまう。
だって彼女が好きだから。

好きならもっと
嬉しそうにするだろ?普通。
なんで、そんな
つらそうな顔してキスする訳?


彼女はキスが苦手なのだが、
彼にはそれが理解出来ない。
だってお互い好きで一緒に居るんだから、
二人きりになりたいし、
触れ合いたいハズだと思うから。

一方彼女はと言えば、
彼が好きだからドキドキする。
それなのにキスなんてされたら、
心臓が壊れてしまう程ドキドキして、
翻弄されて
おかしくなってしまいそうで怖い。

そんな互いのキスに対する
感覚の違いがあるのに、
二人共それを言葉にしないから、
どうしても相手に伝わらない。

大学受験を控えた彼は、受験勉強が忙しく、
学校の後は予備校通い。
会う事すらままならない日々の中、
そんな事でなんとなくこじれてしう二人。

結局、

無理強いをして
辛い思いをさせるのは嫌だから、
幼なじみの距離で様子を見よう。
別に別れる訳じゃない。


そんな提案をする彼。

所が彼のその提案に、ホッとしている反面、
寂しさも感じている彼女。
このまま本当に幼なじみに
戻ってしまったらどうしよう?と。

そうして微妙な距離感の中、
冥土の羊のみんなが
開いてくれた彼女の全快祝い。
その席で恋愛経験豊富なイッキに、
彼との現状を相談する彼女。

そうしてイッキのくれたアドバイスは、

そう感じているのなら、
今度は君から近づいたらいい。


と言うもの。

アドバイスに従い行動してみるものの、
彼女らしくないそれに、
誰の入れ知恵なんだ?」と訝しがる彼。
その為、アドバイス通りには
行かなかったものの、
その事がキッカケとなり、
互いに心の中に留めていた思いを
伝え合う事に成功。

こじれてしまった原因は速度の違い。
急ぎすぎる彼の想いに、
のんびりな彼女はついていけず、
どうしても
遅れてしまっていただけだった。

それに気付いた二人は、
少しずつ互いの歩調を合わせるように。
そうしてそれはいつしか
とても自然な二人の歩調に。

幼なじみだった彼女。
そんな彼女に想いを告げた時、
家族としか思えないと
言われた事もある彼。

けど今はもう違う。

ずっとシンの隣に居たい。

ハッキリと彼女はそう言ってくれたから。
いつまでも
子供では居られない二人だから、
幼なじみのままでは、
いつか互いに恋人が出来て、
二人で一緒に居られなくなってしまう。
だから男と女として、
こうして向き合う以外に、
ずっと一緒に居る」術はなかった。

その事をちゃんと彼女も理解出来るように。

そうして理解した上で、
ずっとシンが好き、
ずっと一緒に居たい
…と、
言ってくれた彼女だから。

だから彼は母親から譲り受けた
指輪を彼女に渡した。

場所は思い出の公園。

それはまだ二人が幼かった頃、
手を繋ぐ事も恥ずかしくなかったし、
好きの意味も多分今とは違っていたけど。
そんな幼い日に、
シンとトーマと結婚したい
そう言い出した彼女に、
トーマを押しのけて
俺、おまえと結婚する、大好きだから
彼はさらっとそう応えた。

あの時は幼さゆえの
言葉だったかも知れない。
けれど今は違う。
ちゃんと好きの意味も変わって、
それでもずっと
彼女が好きだと思ったから。
ずっと彼女の隣に居たいと思ったから。

傷つけたり悲しませたり、
絶対すると思うけど、
その直後には俺と居て良かったって
思わせたい
…と心から思うから。

だからあの日の約束を本物にする為に、
母からもらった指輪を
彼女の薬指に嵌めてプロポーズ。

彼氏って軽い気がするから怖い。
幼なじみならずっと一緒に居られるけど、
彼氏になったら
「別れる」っていう選択肢があるから。


そんな不安を口にした彼女に、
別れるなんて選択肢は
自分にはないんだって伝えたくて。
まだ高校も卒業して居ない彼だけれど、
早く彼女に安心をあげたかった。

そんな彼の思いがけない言葉に
驚いてはいたものの、
やっぱり彼女も
彼との未来しか思い描けないから、
その嬉しいプロポーズに
はい」と応えた。

ずっと「幼なじみ」に
こだわっていた二人だったが、
彼のお母さんはもうずっと前から、
彼女を未来の息子の嫁として見ていて、
近いうちに嫁に来てもらう子なんだから、
大事にしなさいよ

なんて言って指輪をくれていた。

あぁ、そうか。
ただ俺がその言葉に
こだわってただけで、
ちゃんと母親には
嫁に来る女の子に見えてたんだ。


母の言葉にそう気付いた彼。

幼なじみから恋人になった二人。
まだ学生の二人だけど、そう遠くない未来、
今度は夫婦として
共に歩いて行く日が来るに違いない。

速度の違いに悩んだ事もあったけど、
今はもう大丈夫。
ちゃんと二人の二人だけの速さを
互いに知る事が出来たのだから。

2017年3月17日金曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition

物語はAMNESIA一作目の話の途中。

精霊オリオンとぶつかった事で、
記憶をなくしたヒロイン。
オリオンと共に、
記憶を取り戻そうとしている。

頭を殴られ、その犯人が不明
…というような事件に巻き込まれておらず、
ある人のファンクラブの女性から、
嫌がらせもされていない平穏な日常。

記憶を取り戻す為に頼れそうな人たちは、
バイト先のカフェ『冥土の羊』の
メンバーと常連客。

彼らは一様に彼女を愛してくれ、
その愛情は少し重くて息苦しい程。

そんな彼らは、
なぜか彼女に螢を見せたがるのです。
また来年も一緒に螢を見よう

記憶の断片の中で
見つけた誰かとの約束。

誰と交わした約束なのか?
なぜみんなが
彼女に螢を見せたがるのか?

記憶を探す彼女はまだその旅の途中。

-----

攻略キャラ
 ・シン(cv.柿原徹也さん)
 ・トーマ(cv.日野聡さん)
 ・イッキ(cv.谷山紀章さん)
 ・ケント(cv.石田彰さん)
 ・ウキョウ(cv.宮田幸季さん)

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・シン(LATER)※ネタバレなし
シン(LATER After Story)
・ケント(LATER)※ネタバレなし
ケント(LATER After Story)
イッキ(LATER After Story)
シン(CROWD SUSPENSE)
シン(CROWD LOVE)
ケント(CROWD SUSPENSE)
ケント(CROWD LOVE)

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


一作目の時はイッキさんが
一番好きかな?と思ったのに。
今回この続編をプレイした事で、
シンくんとケントさんが好きなんだと
改めて知る事が出来ました。

いや、特にイッキさんに
問題があった訳ではなく。
自分の好みを把握するのに、
少し時間がかかってしまっただけかと(笑)

攻略したキャラのリストが
少し上の部分にあるので、
そこを参照して頂けたら
伝わるかと思いますが、
一つで沢山のお話が楽しめました。
AMNESIAの世界が大好きな方なら、
どれも楽しめるお話だと思います。

WORLDも、いつもお世話になっている
通販サイトさんに品物がないようなので、
未だに購入出来てませんが、
こちらをプレイした事で、
早くプレイしてみたくなりました。

何処かでご縁があれば、
即WORLDも購入したい感じです。


-----


好きキャラランキング
 1.ケントさん
 2.シンくん
 3.イッキさん

シンくんとケントさんは、
本当にどっちが一番なの?と
悩んでしまう位二人共好みでした!


オススメ度:★★★★
個人的満足度:★★★★

2017年3月15日水曜日

百花百狼/黒雪

下野紘さん演じる黒雪のネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


いいんだよ。
おまえが守れるなら。
オレの記憶がなくなろうと、
心が壊れようとそんなのどうだっていい。


たとえ一緒に居られなくても、
おまえを守れればそれでいい!


-----

黒雪の術、影喰。
強すぎるが故に、術者にかかる負担の大きい術。
その術を使えば使う程に、
彼から大切な記憶がこぼれ落ち、
心が次第に壊されてゆく。

そうして彼の残されたものは、
彼女だけだった。

そう、空っぽになった彼の記憶。
けれど、唯一覚えていた。
大切な彼女の事だけは。

-----

それはまだ彼が8つの時、
彼は任務で甲賀を離れた。
行き先は加賀。

当時から彼女が大好きで大切だった彼は、
そんな彼女を守る為に、
強くなりたいからと、自ら志願した。
たった8つで。

そうして加賀忍軍の長により、
術の修行が始まった。

どれくらいの時間だろう?
ひたすらに続く常闇の中、
幼い彼は一人ぼっち。
泣こうが叫ぼうが、誰も助けてくれない。

幼い子どもには暗いだけでも恐ろしいのに。
更にそんな彼には加賀忍軍の長により、
幻術が掛けられていた。

暗い中で見せられる恐ろしい幻術。
常闇の中襲い来る幻術に、
次第に感覚が麻痺して行く。

一体どこまでが幻術で
どこからが現実なんだろう?


分からない、怖い。
でも、出られない。
誰も助けてくれない。

何度も何度も故郷を思い、
みんなと彼女と過ごした楽しかった日々に
戻りたいと涙した。

そんなある日。
もう時間の感覚もなく、
常闇にどれくらいの時間いたのかも分からない中、
彼は気づいてしまった。
次第に自分の記憶が消えている事に。

怖くなった。
仲間の事が思い出せないし、
自分が誰なのかも分からない。
どうしてここにいるのかも。

何もなくなる、消えてしまう。

そんな恐怖に襲われた時、
彼は気づいた。
何もかもを失いそうな自分だけれど、
そんななか、
たったひとつ残ったものがある事に。
それが彼女だった。

だから彼は彼女を想い続けた。
いつか再会出来る日を夢見て。

そうして耐え続ける中、
常闇の中だというのに、
彼には影が見えるようになった。
彼が動けば影も動く。
何も誰も居ない空間で、
影だけがいつも彼の側にいてくれた。
ずっと彼に寄り添うように。

そんな辛い修行の果てに、
彼は影喰を身に着けた。
そうして暗殺を中心に様々な任務をこなし、
幼いながらも残忍な暗殺者となった彼に、
可哀想に、もう人間じゃないんだ
そんな声が聞こえてきた。

そうか。
失くしたのは記憶だけじゃないんだ。
オレは心も失くしてしまったんだ。
もう人ではいられない程に。


そんな幼少期を経て、
一人前になった彼に、
最後の任務が与えられた。
それをこなしたら、
彼は自由を得る事が出来る。
やっと彼女の元へと戻れる。

それが秀吉暗殺だった。

依頼主は加賀忍軍の長と、甲賀の長。
二人の目的は秀吉を暗殺し、
再び戦乱の世にする事。
忍びは戦乱の世でこそ活躍出来る存在だから。
このまま平和が続くと、
忍びが滅んでしまうから。

そうして京へと向かう彼は、
任務で同じく京へと向かう
かつての仲間たちと出会った。

ひと目見て驚いた。
だった彼女は
彼が想像していたとおりの
女性になっていたから。

それでもすぐに声を掛けられなかったのは、
彼には彼女以外の記憶がなかったから。
そっと様子を伺いながら、
かつての仲間を記憶する為の
時間が必要だったから。

そうして彼女たちに合流した彼は、
一緒に任務に参加する事となり、
共に京へと登った。

-----

京では石川五右衛門が活躍していて、
その五右衛門を捕らえる為の
情報収集が彼らに与えられた任務だった。

仲間たちと協力して、
無事に情報を入手し、
更には京都所司代が取り逃がした五右衛門を
彼女が伏見城で捕らえた。

その様子をたまたま見ていた秀吉に
呼び出された彼女は、
その直後秀吉が暗殺された現場に居合わせた事から
秀吉殺しの罪人にされてしまう。

本当の犯人は、
甲賀と加賀の長から依頼を受けた彼だったのに。

その後、捕らえられた彼女を
単身助けに来た彼。
無事に逃げ出せたものの、
今回の秀吉殺しが五大老により、
秀吉の息子、秀頼の後見人を決めるために
利用されてしまう。

五大老がそれぞれ忍びを放ち、
大罪人である彼女を討ったものが
秀頼の後見人になれる…と。

一方何も知らない二人は、
北を目指していた。
甲賀以外何も知らない為、
彼に勧められるまま北を目指す。

この時彼女は何も知らなかった。
怪我をして現れた彼は、
仲間にやられたと言っていたけれど、
実は仲間をやったのが彼で、
彼についていた傷は
彼自身が付けたものだという事も。
彼がそうまでして、
彼女を自分だけにしようとした理由も。

だってずっと彼女だけだったから。
唯一覚えていた大切な愛おしい彼女。
あんなに辛い中、
ただひたすらに彼女だけを思っていたのに。

彼が久しぶりに目にした彼女は笑っていたから。
彼がその場に居ないというのに、
仲間と笑っていたから。

悲しかった。
こんなにも彼女を彼女だけを思っているのに。
辛い時間を
彼女だけを支えに耐え抜いて来たのに。

だから全部手に入れたかった。
彼女の笑顔も全部。
そうしてここから先の世界、
オレだけがいればいい。

欲しいものはおまえだけ。
オレの世界にはおまえしか要らない。
だからおまえの世界にも、
オレしか居なくなればいい。


追忍など放たれていないのに、
彼は嘘をついた。
甲賀の忍びもおまえの命を
狙っているに違いない…と。

五大老の忍びに命を狙われ、
彼を巻き込んだと後悔を抱え、
更には仲間にも命を狙われていると思った彼女は、
次第に彼に依存するように。

だって彼女にも彼しかいなかったから。

その後、彼に殺された忍びを見た半蔵が、
その術が影喰であると気づき、
秀吉暗殺の犯人に気づいた。

そうして甲賀に赴いた半蔵は、
今度は甲賀の忍びたちと共に、
彼らを探した。

あんな危険な技を使う忍びを
自由にさせておく訳にはいかないと。

甲賀の仲間たちも、
秀吉殺しの事を知り、
彼女を守りたいと必死に彼女を探した。

そうして一度は彼と引き離され、
甲賀の仲間たちと
行動する事になった彼女だったが、
その気持は依存だ」とみなに言われ、
自分の気持を見つめる為にも、
秀吉殺しを彼に依頼した
本当の犯人を探すためにも、
彼と向き合う事を決意。

一方彼は加賀での師であった
加賀忍軍の長を彼女を守る為に倒し、
五右衛門に自分が側に居たいからと、
彼女を連れて行くのは押し付けだと言われた事から、
彼女との事を考えた。

依存だと言われても、
彼女を想うオレ気持ちは本物だ。
けど、側にいられない。
彼女は優しい人だから。
彼女の目指す世界は争いのない世界だから。
そんな世界にオレは要らない。


沢山の人の命を奪い、
影に縛られ、業を背負う彼では、
彼女にふさわしくない。
彼女の未来に居てはいけない。

そう気づいてしまった彼は、
彼女から離れる事を決意した。

それでも、彼女を守りたいから。
彼女の目指す世界を守りたいから。
だから彼は加賀の長だけでなく、
彼女の父である甲賀の長を討つ事を決意。

だって、あの男は彼女を利用するから。
自分の為に何度でも平気で。

そうして彼女の世界に必要ないものを排除し、
自分も消えるつもりだったのに。

半蔵たちと共に彼女が来てしまったから、
彼を庇ってくれたから。
再び二人で逃げる事に。

生きるも死ぬも共にある縁。
だから側に居たい。


そう言う彼女は、
彼と同じ想いなのだという。

人は依存だと言うけれど、
彼女を想うと切なくて苦しくて。
ただ涙があふれるような想い。

その想いがなんであれ、
互いに想いが同じなのだから。

だからあなたの罪を
私にも背負わせて欲しい。
償いながら生きて行きましょう。


そう言ってくれた彼女だから。
彼は人としてこの世界に繋ぎ止められた。

大丈夫。
彼女がいれば大丈夫。
オレはきっと人で居られる。


心が彼女と共にあれば、
後はもう大丈夫。
失った思い出は戻らなくとも、
また1から沢山の思い出を作ればいいのだから。

その後、彼は傷つけた甲賀の仲間たちに、
彼女と共に謝罪し、
昔のいたずらっ子だった時のように、
散々伽羅に怒られて、そして許された。
だって、彼は今でもみんなの仲間だから。

その後、甲賀の長は罪人として捕まり、
彼は徳川の忍びとして、
半蔵の監視下に置かれる事に。

そんな彼の傍らには、
優しく微笑む彼女がいた。
甲賀でも徳川でも、
あなたがいる所が私の居場所だと。


-----

もう決して離れない。
ずっとずっと側にいる。


今度は嘘もごまかしもない世界で、
彼女を守り続けるから。

帝国海軍恋慕情/深山峻晴

斉藤壮馬さん演じる
深山峻晴さんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


俺は融通が利かないから、
君の自由さは
時に俺の背中を押してくれる。


-----

俺がまだ海軍に入ったばかりの頃、
弟とはそれなりに仲が良くて、
よく諜報活動で世話になっている
女給の居るパーラーへ、
2人で行ったりもした。

所が弟が一高へ入る頃からだろうか、
俺たちの仲は以前のようには行かなくなり、
家に滅多に戻らない弟は、
たまに戻ると過激な発言ばかり。
気づくと家族らしい会話が
出来なくなっていた。

そんなある日、
彼女との諜報活動中に爆弾を発見した俺は、
彼女の似顔絵から、
その場に居た青年が弟である事を知り驚愕。
学生活動をしている様子はあったものの、
まさか爆弾を仕掛けるような
過激な行動に出るとは思わなかったから。

そうして弟を始めとする学生が捕まり、
彼らは田崎と言うロシヤ側の
諜報員らしき人物に、
洗脳されている事が判明。
洗脳中の弟とは、色々とあったものの、
彼女が弟の洗脳を解き、
俺の言葉に耳を傾ける
きっかけをくれたお陰で、
こちらの田崎探しに力を貸してくれる事に。

彼女のお陰で
弟と向き合い話し合う事が出来き、
母が俺に家督を継がせないために、
弟に色々と吹き込んでいた事が分かったものの、
血のつながりのない自分を
育ててくれた事に感謝こそすれ、
恨む気持ちはなかった。

そうして学生たちによる
一連の騒動は終結し、
その騒動の中で俺を支えてくれた
彼女への気持ちが確かなものとなった。

その後日露戦争が開戦し、
俺は希望通り最前線へ。
彼女は北海道へと配属。
互いに違う場所にありながらも、
心は1つである事を感じながら迎えた終戦。

もう彼女なしでは生きられないと感じた俺は、
再会した彼女へ求婚し、
生涯共にある事を誓ったんだ。

-----
これから先の人生も、
君が側に居てくれれば、
きっとどんなことでも
乗り越えて行けるはずだから。



-----☆★☆-----


少し前に書かせて頂いたものなので、
手を加えようと思ったのに。
短すぎて手を加えようなありませんでした(笑)

なんでこんなにあっさりなのか?
というと、実際に
あっさりした作りだったからかと(笑)

それでも感動もしましたし、
峻晴さん、物凄い好みでした。

2017年3月14日火曜日

帝国海軍恋慕情

161本目の乙女ゲーム。
D3PさんHuneXさんのPSVita用ソフト。

両親を亡くし、
祖父と二人で暮らす
主人公の家は没落士族。

時は明治となり、
女性が働く事も認められ出した頃、
師範学校を卒業した彼女は、
お家再興を目指し職探し。
そう簡単に仕事は見つからず
困り果てた所に、
海軍の軍楽隊員募集を見つけ軍楽隊に。

早速訪ねた兵舎で迷い、
諜報活動の話を
たまたま聞いてしまった事から、
表向きは軍楽隊の絵師でありながら、
諜報員として働く事に。

そこで出会った諜報員達と共に、
見習いの彼女の諜報活動が始まり…。

-----

攻略キャラ
 ・深山峻晴(cv.斉藤壮馬さん)
 ・平塚茂(cv.前野智昭さん)
 ・伊予部直哉(cv.小西克幸さん)
 ・原正毅(cv.櫻井孝宏さん)
 ・小宮山高元(cv.石田彰さん)

-----
 
深山峻晴
・小宮山高元(ネタバレなし)

※攻略した順番に記載させて頂いております。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


酷評な作品でしたが、
個人的にはそれなりに楽しかったです。

海軍なのに、海軍らしい活動を
一つもしてないとか、
設定と主人公の行動を比べると
色々と矛盾を感じるとか。
細かい所を挙げたら、
色々と気になる箇所はあるかな?と。

設定の割に、
深さはなく、表面をさらったような
そんなシナリオではあるかもしれません。
長さも物足りないと感じる方が多いかも
…という長さ。

長くて深い作品も
最近多い中でしたので、
たまにはあっさりと終わるお話も
いいかな?と思います。

攻略させて頂いたキャラは、
どちらもとても素敵で、
声優さんの演技も素晴らしかったです。

散々悪いレビューを読んだ後なので、
「あれ?意外に面白いかも?」と
そんな印象でプレイ出来ました。
サクサク進む短いゲームがやりたい
…なんて時にはオススメかと思います。


オススメ度:★★☆☆☆
個人的満足度:★★★☆☆

2017年3月13日月曜日

アブナイ恋の捜査室/小笠原諒

菅沼久義さん演じる
小笠原諒さんのネタバレ感想です。

こちらも昔に書いたものですが、
少し修正。
公平さんのネタバレよりは
幾分ましな仕上がりかと(笑)


-----☆★☆-----


子供の頃、大学教授でテレビに出たり、
本を出版したり、
講演会があったりと大忙しな両親は、
共に家に居ないため、
食生活が偏った彼は、
今では信じられないくらいに太って居た。
その事で女子には意地悪されたりも。

所がその後、
ヨーロッパにある監獄並みに厳しい
全寮制の学校入学。
大学入学の為に帰国する頃には、
見違えるように痩せて居た彼。

そんな彼の様子に、
意地悪だった女子達が、
彼に言い寄って来た事から、
女嫌いと言うか、人間不信に
なってしまった彼。

教育係を任命されたものの、
彼女のことを好きにはなれず、
迷惑に感じていた。

所が彼が冷たくしても、
大変に仕事を押し付けても、
めげない彼女の根性に、
彼も次第に変わり、
二人はいつしか惹かれ合うように。

ファーストシーズンのシナリオは、
如月さんと同じ事件。
見え方が小笠原さん寄りの
視点になるだけで、流れは同じ。

セカンドシーズンからは、
ジョン・スミスが絡む事件
と言う点は同じものの、
こちらは彼の母校である
大学のラボが舞台に。

事件は大学を狙う置き引きの犯行が
増えているというもので、
彼の母校で
初めてその置き引きでけが人が。
そこで捜査が開始される。

結果から言うと、置き引きと、
けが人が出た転落事件は別件。
置き引きの犯人は、
転落事件の被害者が突き落とされる現場を
写真で撮影していて、
それが手がかりとなり、
転落事件も犯人が見つかったりも。

被害者であるラボの事務スタッフの
木崎を突き落としたのは、
彼女と交際していた
大学四年生の桑原だった。

桑原の元に、
木崎がラボの准教授の大矢と、
ホテル街を歩いている浮気現場を
押さえた写真が届けられて、
木崎を問い詰めようと、
4階の非常階段にタバコを吸いに行く所を
追いかけた。

そこでタバコを吸いながら
電話をしていた木崎が、
桑原のことをガキだとバカにするような事を
電話の相手に話していたことからカッとなり、
犯行に及んだんだとか。

木崎は、起訴しないとの事で、
桑原が罪に問われる事にはならないものの、
大学時代に彼を指導した井口と言う女性が
自主してきた。
自分が犯行が起こるように仕向けたんだと。

写真を見せて、
毎週水曜日に3階の非常階段に鍵をかけて、
2人が鉢合わせるようにしたから、
罪は自分にあると。

それを罰する法律はないと、
彼を始め捜査室のスタッフが話すも、
帰れないという井口。
仕方なく留置所に泊まって貰う事に。

翌日、今度はラボの小野教授が自主、
更には准教授の大矢も自主と、
被害者も居なくなった事件に、
犯人だと名乗り出る者が三人も(笑)

小野教授は、相貌認識障害?
人の顔なんかが認識出来ない病気で、
彼がラボに入る前から、患っていた。
それがバレないように、井口助教授と、
大矢准教授が協力していたんだとか。

木崎は小野教授の病に気づいてしまい、
そんな木崎をやめさせようと起こった事件で、
しかも裏で手を引いていたのが、
ジョン・スミスだと分かった。

彼女と彼の恋は、彼の両親に会ったり、
彼との日頃のやり取りから、
2人の住む世界の違いを感じていた彼女。
彼女の父はセレブなんかが嫌いだから、
両親に会いたがる彼の申し出に対し、
快い返事を出来なかった事からすれ違う二人。

それでも、周りの協力もあり、
きちんと気持ちを話した事で和解。
会いたかった彼女の父とは、裁判所で遭遇。
彼女の父は、裁判官だったから(笑)。
そこで交際宣言をした彼の勢いに気圧され、
2人の交際を認める
返事をしてしまった父だったが、
お父さん」と呼ばれた時には正気に戻り、
お父さんなんて呼ばせん
と怒鳴られてしまった彼(笑)

それでも気難しい父に
交際を認めさせた彼なので、
結婚が許される日も
そう遠くないかも知れない。

アブナイ恋の捜査室/如月公平

立花慎之介さん演じる
如月公平さんのネタバレ感想です。

随分昔に書かせて頂いたもので、
修正しようもない出来でしたので
そのまま投稿させて頂きました。

今でも残念な文章が、
昔なので更に残念なものになっていますが
ご容赦ください。
読み返して泣きそうになりました。
自分の文章の残念さに(笑)


-----☆★☆-----


駐車違反で
動かせないようにしたバイクが
強盗犯の逃走用のもので、
そのお陰で逮捕になったり。
スピード違反の車を捕まえたら、
運転手が指名手配犯だったなど、
無意識によるミラクルな偶然で、
お手柄続きの彼女。

そんな特性に目をつけた室長により、
緊急特命捜査室という、
なんでもやる部署に異動になった
新米刑事の彼女。

攻略対象は同じ
緊急特命捜査室のメンバー。
私はビジュアルが一番好みの
如月公平さんを選びました。
ボイスは立花慎之介さん。
立花さんの
こんな明るく
ハイテンションな感じの役柄は
初めてでしたので、新鮮でした!

如月公平さんは、
柔道の大会で見かけた明智さんに憧れて、
彼の居る緊急特命捜査室に自ら望んで
移動してきた刑事さん。
以前は捜査三課に居たそうで、
窃盗犯を捕まえるために
ピッキングなどの知識も豊富。

彼女をあまり歓迎していない雰囲気の
捜査室の中でも歳も近いし、
明るくて話しやすい感じの人です。

お鮨屋さんの大将の息子さんで、
北海道出身。
みんなの中では彼女を除くと年下なので、
いじられたりしているせいか、
弟キャラっぽく見えますが、
実は四人兄弟の長男。
見た目は女顔で可愛らしい感じの彼ですが、
柔道は黒帯でとてもつよいです。

父も祖父も親戚も
綺麗に禿げている事から、
禿げに関しては
異常な程気にしています(笑)
ストレスが極限に達すると、
パラパラと髪が抜け落ちる音が
幻聴で聞こえたり(笑)

そんな彼は、
新人の彼女の教育係としてついてくれます。
二人で指示を無視した潜入捜査で
近付いてお付き合いが始まり、
指示された潜入捜査により、
絆が深まり結婚を前提としてのお付き合いに。
ただ、エンドの段階では、
彼女の父には刑事との結婚は反対だ!と
言われてましたが(笑)

彼女と付き合う前は藤守さんと合コン三昧と、
わりとチャラいのかと思いきや、
お付き合いしてみると真面目で、
結構嫉妬深いし、ちょっと意地悪な所も(笑)

ヤキモチモードの時にはちょっと黒い感じで、
でもそんな所も素敵でした。
ヤキモチ妬きつつも、
ちゃんと話しを聞いてくれて、
こうして欲しい!って
伝えてくれるのとかも
いいなって思いました。
付き合うまでのファーストシーズンから、
お付き合い後のセカンドシーズンとあり、
どちらも一つずつ事件を解決する中で、
みんなとの、
そして彼との絆を深めて行きます。

一話ずつは短くはありますが、
SSが挟まれたり、
お付き合い後も見られるのは
楽しかったです。

そして、ビジュアルのみで
選んでしまいましたが、
ものすごい好みでした。
なので他の方どうしよう?
って感じなのです(笑)

素敵な如月さんを演じてくれた、
立花慎之介さんに感謝です!
ありがとうございました。

2017年3月12日日曜日

百花百狼/月花丸

羽多野渉さん演じる月下丸の感想です。


-----☆★☆-----


貴方を殺すでも、貴方を守るでもない。
俺の中にたったひとつあったもの、
それは…貴方への愛でした。


-----

伊賀の忍びの息子に生まれた月下丸。
彼がまだ3歳の頃だった。
伊賀は信長により滅ぼされた。

生き残った多くの伊賀の忍びたちは、
甲賀に吸収される形で存続したものの、
長年敵対してきた間柄。
そうすぐに甲賀の仲間にと、
割り切れない者もいた。

その中の一人が彼の両親だった。

そうして信長の伊賀攻めから
生き残ったにもかかわらず、
残党狩りと称して、
甲賀に吸収されなかった忍びたちを
彼女の父である甲賀の長が殺した。

息絶える直前、
そんな甲賀の長、上野勘道への恨みから、
彼の母は、まだ幼い月下丸へと呪いを掛けた。
彼女の母、かがりのお腹の中の子供を
必ず殺すように…と。

だから側に居た彼女の母は、
深い呪いから子供を守る為、
殺す」の部分を「守る」と
反転させる術を掛けた。

誰よりも忠実な彼女の従者。
いつも彼女を最優先にする優しい彼は、
そんな二人の術によって出来上がった。

当然、そんな事など知らない彼と彼女は、
幼い頃から共に成長し、
いつも一緒に過ごしていた。

そうして過保護過ぎるくらいに
彼女を案じている月下丸だったが、
彼女が忍びとして働きたい気持ちを理解し、
初の任務には従者としてではなく、
共に戦う忍びとして臨む事に。

彼女の初任務は、京での仕事。
依頼主は石田三成。
近頃京を騒がせている石川五右衛門。
彼が次に狙う武家がどこなのかを
突き止めるという内容。

初の任務に緊張しつつも、
仲間と共に無事に任務を果たした彼女。

当初彼らの任務は、
情報を掴む事までだったものの、
石川五右衛門が忍び込んだ当日、
結局彼を取り逃がした事から、
忍びたちが捕物に力を貸す事に。

五右衛門を捕らえたのは彼女。
伏見城で行われた捕物を
たまたま見ていた秀吉が、
彼女を呼んだ事から
運命の歯車が狂いだした。

秀吉にお目通りをした彼女。
褒美をつかわすという秀吉が、
その褒美を取りにと隣の部屋に入った途端、
秀吉のものと思われる悲鳴が。
慌てて隣の部屋を覗くと、
そこには何者かによって殺害された秀吉が。

当然忍びである彼女に、
秀吉殺害の嫌疑がかかり、
彼女は捕らえられてしまう。

秀吉殺害の文を受け取った彼女の父は、
里への影響を懸念し、
彼女と親子の縁をきり、
他の忍びを里へと引き上げさせた。
そう、里を守る為にと、
彼女を見捨てた。

それでもそんな指示に納得出来ない彼は、
一人伏見城へと向かう。
そうして彼女を救出し、
実の父から見捨てられ、
里へも戻れない事を知った彼女。

更にはそんな彼女を助けた事で、
彼の事も巻き込んでしまった事を知り、
ひどく落ち込んでしまう。

そんな彼女を必死に励ます彼は、
抜け忍が住まうと言われる
隠れ里へと向かう。

それは遠い昔。
まだ彼女の母が生きていた頃の事。
万が一何かあった時には、
隠れ里を頼りなさい
…と。
彼女の母はそう彼に告げていた。

そこにたどり着けさえすれば、
きっと大丈夫。


そう思っていたのに。
甲賀の里では、彼女に彼が加担した事で、
里へ謀反の疑いが掛けられた事から、
その汚名を晴らす為と、
彼らを討伐する任が与えられた。

追い忍として放たれたのは全部で5名。
最初に出会ってしまったのは猿之介。
里でも一番の速さを誇る忍び。
そうして出会った彼に、
二人を討伐する為の追い忍が出ている事、
彼が彼女を助けた事で、
里に嫌疑が掛けられた事などを知らされた二人。

更には里の為に、
追い忍として放たれた猿之介は、
幼馴染である二人を殺すと言う。

数日前までは友達で、
一緒に京での任務もこなして、
毎日笑っていた仲間だったのに。

それでも彼は彼女を守りたかった。
たとえ友と戦う事になったとしても。
だから戦った。
そして彼女を守る為、
彼は大切な友人の命を奪った。

猿之介を始めとして、
追い忍として現れるのは、
伽羅、蝶治郎…と
二人と縁の深い者ばかり。

戦いたくない。
もう仲間を失いたくない。


どんなにそう思おうとも、
自分たちが生き延びる為、
友を討つしか道はない。

そうして次々と友を討つ中、
ついに隠れ里へとたどり着いた時、
二人は霞と出会った。

一度も任務をこなした事のない霞。
けれど、彼女と親しいという理由で、
今回の追い忍の命を受る事に。
けれど、大好きな彼女を殺す事など出来ないと、
諦めていた所で出会ったという霞。

それなら…と、
隠れ里の長に事情を話し、
霞もしばらく隠れ里で暮らす事に。

所が、霞は彼女の父に
家族を殺すと脅されていて、
彼女に蠱毒の術を使い殺そうとした。

その時に彼女は霞により知らされた。
彼が彼女を大切にするのは、
彼女を守ってくれるのは、
彼自身の意思ではない。
それは彼女の母の掛けた術によるものだと。

その頃、途中彼らと合流し、
一緒に隠れ里を目指していたものの、
追い忍だけでなく、
毛利や徳川の忍びまで出て来た事を
不審に思った黒雪は、
一人別行動をとり、裏で動くものを探りに。
そうして彼女に父から聞かされた。
放った5人の追い忍の最後の一人が、
黒雪の兄、月下丸である事を。

直接指示された訳ではない。
ただ、霞に託した彼女の母が、
死ぬ前に彼女に宛てて書いた文に、
彼に掛けられた術の話と、
その術の解除の仕方が書かれていた。

当然、ずっと術に縛られて来た彼を
開放したいと思った彼女は、
側にいる時間に
次第に彼への自分の想いに気づきつつも、
愛するからこそ、彼を自由にしたいと、
文に指示通りに術を解いた。

だって、術で側にいて貰って悲しいから。
彼には彼の意思で自由に生きてほしかったから。

けれど実際はもっと複雑で、
彼には彼女の母が掛けた術の前に、
彼の実の母の掛けた呪いがあったから。
そこに彼女の母の術だけ解いた所で、
彼は自由になどなれず、
ただ彼の中に母親の呪いだけが残ってしまった。

今まで一緒に逃げて来た彼。
誰が見捨てようとも、
実の父に見捨てられた時でも、
いつも彼だけは彼女を助け、
側にいてくれたのに。

そんな彼は、彼自身の母の呪いにより、
一番大事にしていた彼女へと刃を向けた。

そうして間一髪の所で、
すべての事情を把握している黒雪が駆けつけ、
彼女を助け、彼の母の呪いについて教えてくれた。

けれど、術の力で動いている彼は
とても強くて黒雪でも歯が立たない。
そうして黒雪は深手を負い、
彼女を殺そうとする彼と二人きりに。

彼に殺されるのなら。
それで彼の呪いが解けて自由になれるのなら、
私の命を捧げても構わない。


そう思った彼女は、
抵抗する事なく、
両手を広げて彼を迎えようとした。

愛してるから」と。

その言葉に彼の中で何かが変わった。
今まで術の力だけに支配されていた彼の中に、
彼自身の意思が芽生えた。

そしてその意思は、
彼女を殺したくない、守りたいと願った。

だから術に必死に抵抗し、
最後は自らを手にしている刀で刺す事で、
彼女を守った。

目の前で血まみれになり倒れる彼。
愛する人のそんな姿に愕然とする彼女の元に、
徳川の忍びたちが現れ、
彼女は半蔵により伏見城に連れ戻される事に。
彼の安否も分からぬまま。

たどり着いた伏見城には、
秀吉と彼女の父が居て、
二人から今回の事件の真相を知らされた彼女。
その内容は余りにも衝撃的だった。

息子の後見人を決めようとしていた秀吉は、
誰に任せるか決め兼ねていた。
そんな時石川五右衛門を捕らえる彼女を見て、
彼女に賭けてみる事に決めた。

そうして褒美の話を持ち出し、
隣の部屋に移動した秀吉は、
そこに居た自分の影武者を殺害し、
こっそりと部屋を後にした。

逃げる彼女に対して
放たれた追い忍は5人。
それぞれに五大老がついていて、
選ばれた忍びは単なる駒として、
生き残った者についたものを
息子の後見人として選ぶという茶番。

秀吉にとって、
彼ら忍びの命などその程度のもの。
あんなにも苦しみながら、
友と戦い、友を殺してきたのに。

そして父に至っては、
いつだって自分の事ばかり。
人の命などどうでも良かった。

そんな父と秀吉に
大切な仲間が、愛する人が殺されたと思うと、
彼女の中に獣のような心が芽生えた。

こいつらを許さない。
こいつらを殺してやる。


そう、彼らの命を花だと笑う秀吉達に、
狼になって復讐しようと決めた。

そうして武器も持たぬまま、
父と戦った彼女だったが、
戦闘で敵うはずもなく、殺されそうに。

そんな彼女を救ったのは、
彼女が最も愛した人だった。
そう、安否が分からないまま
隠れ里で別れ、
伏見城へついた時、死んだと聞かされた彼。

彼を死んだ事にし、
馬鹿馬鹿しい茶番を終わりにしてくれた半蔵が、
こっそりと彼を助けてくれていた。
更には彼女から預かった武器を
彼に託し、早く終わらせてくれ…と
彼を秀吉の元へと行かせてくれた。

彼の助けにより、
無事に伏見城を抜け出した二人は、
その後、命を落とした仲間の為に作った墓を
二人で順に回った。

すべての墓参りを終えた頃、
半蔵が現れて、
徳川の忍びとして働かないか?と誘われたものの、
今回の出来事で仲間を失った事から、
もう二度と忍びとしての仕事はしない、
普通に二人で生きていく決意を告げた。

術でもない、忠義でもない。
ただ心から彼女を愛しているから。
だから共に有りたいと願ったから。

-----

覚えていますか?
伏見城から貴方を連れ出した時、
俺は共に逃げて下さいと
あなたにお願いしました。


でも、今あらためてお願いします。
俺と共に生きい下さい。
そしてこれからも俺に貴方を守らせて下さい。
一人の愛おしい女性として。

2017年3月11日土曜日

ソラユメ/朝峰涼志

立花慎之介さん演じる
涼志くんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


大丈夫、何も心配ないよ。
これは夢だから。
僕が描いた空夢(ソラユメ)なんだ。


-----

岬端にある洋館。
今では肝試しに使われるような
廃屋となっているそこには、
まだ彼女が幼い頃には
とある家族が住んでいた。

それが朝峰涼志の家族。
彼は体が弱く家から出る事が叶わず、
なかば部屋に閉じ込められている状態だった。
彼の世界は窓から見える景色だけ。
出る事の叶わない外を
ただ羨ましげに見つめていた。

そんなある日、
母親と散歩中にはぐれた彼女が、
彼の家にやって来た。
窓の外を見ていた彼は
彼女を見て驚いてしまう。
だって自分の家の庭に、
同じ年頃の女の子がいるのだから。

彼女は彼に声を掛け、迷子だと教えてくれた。
そうして淋しくないのか?と尋ねると、
さっきまでは淋しかったけど、
今は彼が居て一人じゃないから淋しくないと言う。

そんな彼女に遊びに誘われた彼。

本当は部屋を出てはいけなかった。
病気が悪化するから。
それでも彼は憧れていたから。
他の子供達みたいに、
お日様の下で友達と遊ぶ事を。

だから彼は窓から部屋を抜け出した。
夢にまで見た外の世界へと。

そうして彼女と目一杯遊んで
楽しい時間を過ごした彼。
けれど、もう日が暮れてしまい
戻らなければならなかった。

まだ遊び足りない気分の二人は、
明日は一緒に海に行こうと約束をした。

その時彼女は指輪を見つけてしまった。
それはルーエンの探している
持ち主を狂わせる恐ろしい指輪、
ヘリオトロープ。

幼い彼女は当然そんな事は知らず、
ただ明日の約束を忘れないように…と、
好意から彼にその指輪を渡した。

彼女が彼を連れ出した事。
彼女が指輪を拾い、彼に渡した事。
この2つが彼の運命を
狂わせる事になるなんて知らないままに。

-----

翌日、海で彼を待つ幼い彼女。
けれど彼が現れる事はなかった。

大切な約束だから、
何としても守りたかったのに。
けれど彼は約束を守る事が出来なかった。

初めて友達と遊んだ翌日、
病気の彼はその症状を悪化させ
亡くなってしまったから。

だからそれが心残りだったのか、
ヘリオトロープを首に下げた彼は、
亡くなってもなお、彼女を待ち続けた。
大事な約束で、
また彼女と遊びたかったから。

そうして長い月日が流れ、
彼女が高校二年生に。
友人の一人が岬端の祖父母のところに
滞在するのに便乗して、
彼女は再び岬端にやって来た。

あの日の約束は忘れてしまったものの、
たまたま海にやって来た彼女は、
ルーエンを喚び出す大事な指輪を
彼の霊に拾ってもらい、
再会を果た。

その再会が全ての始まりだった。

彼女は忘れていたけれど、
彼はすぐに気づいたから。
彼女があの時の女の子だって。

だから願わずには居られなかった。
あの日の約束を
どうしても果たしたかったから。

指輪の力など知らぬままに、
あの日からずっと子供な彼は、
今の彼女と同じ姿で、
もう一度彼女に会って約束を果たしたい。
もう一度遊びたいと願ってしまった。

-----

そうしてヘリオトロープの力で
高校生になった彼は、
彼女の学校に転校。
彼女との本当の再会を果たのです。

会えればそれで良かったはずなのに。
ひとつ叶えばまた願いが増える。
明日も彼女に会いたくなる。
もっと一緒に居たくなる。

辛いだけの幼い日の記憶の中で、
一番輝いている記憶。
それが彼女とのあの記憶だったから。
彼の大切な思い出だったから。
増え続ける願い。
その度にヘリオトロープの力を使い、
何度も何度も世界を巻き戻した。

世界の繰り返しに気づいてるのは、
彼と彼女の二人きり。
誰もいない世界で
二人になるのは無理だけれど、
その状況を利用する事で、
彼女は次第にルーエンや他の友人から離れ、
彼だけを頼りにするようになっていった。

誰も要らない。
君には僕だけが居ればいい。


始めはただ会いたいだけだったのに。
願いは積みかさなり、
いつしかひどく自分勝手なそれとなっていた。

そうして何度も
ヘリオトロープの力を使った彼は、
次第にヘリオトロープに蝕まれ、
血を求めずに居られなくなってしまった。

そのせいでルーエンに
二度も殺されそうになり、
その度に時間を戻す。

だから彼女は気づいていた。
彼がヘリオトロープの所有者だと。
でも好きになってしまったから。
認めたくなかった。
ヘリオトロープの所有者である事も、
彼が人を殺し血を得ている事も。

そうして繰り返されるおかしな世界に、
耐えられなくなった彼女は、
ルーエンの前で泣き出した事で、
その繰り返される世界は
ヘリオトロープの力だと教えられた。

そうして彼女は、
ヘリオトロープを破壊して欲しいと、
彼に剣を託された。

-----

それが正しい事は頭では理解出来た。
このままにしても、
いずれヘリオトロープに全て支配され、
彼の意思はなくなってしまう事も分かっている。
だから、この剣で
全てを終わらせる事が正しいと。

けれど出来なかった。
彼が好きだから。
彼が消えてしまうなんて耐えられなかったから。

でも、餘部先輩により、
天体望遠鏡で忘れていた過去を見せられ、
自分が彼を連れ出した事で彼が死んでしまった事、
自分が渡したあの指輪がヘリオトロープであった事、
死しても尚、彼女との約束を
守ろうとしてくれていた事を知った彼女は決意した。
自分のせいだから、自分で終わらせようと。
彼をヘリオトロープから解放してあげようと。

そうして今度は自らルーエンに頼み、
剣を手にした彼女は、
約束の海に行き、そこからあの洋館へ。

-----゜

彼の部屋にたどり着くと、
胸に禍々しく埋め込まれた
ヘリオトロープをはだけさせ、
自らの足にナイフを刺して座り込んでいる彼が。
もう自分を保つのがやっとで、
体が勝手に血を求め動くから、
だから歩けないようにした
と言う彼。

そんな彼に思い出した過去の出来事を詫びると、
彼は嬉しかったと笑う。
憧れていたから、外の世界に。
光に満ちた世界で君と過ごせた事が嬉しかったと。

そうして彼女は彼の胸のヘリオトロープを、
ルーエンの剣で突き刺し、彼を解放した。

涼志くん!

手を伸ばして見るものの、
彼にその手が届く事はない。

あぁ、どこで間違えてしまったんだろう。

何も知らなかったとは言え、
すべて自分の罪。
彼を部屋から連れ出す事、
彼に指輪を渡すこと、
そのどちらか一方が欠けるだけでも、
こんな事態は防げたというのに。

戻りたい、やり直したい。

強い強い彼女の願い。
それはまるで儚く消えた彼のよう…。

-----

幼いあの日。
母親とはぐれた彼女は洋館にたどり着いた。
窓から外を眺める彼と出会い、言葉を交わす。

一緒に遊ぼう!

そう声をかけようとした所で、
頭の中で声が響く。

ダメ、誘ってはダメ!

だから彼女は、涼志くん、
バイバイとその場を去った。

帰り道、道で指輪を見つけて、
その美しさに魅せられて拾おうとすると。

ダメ、拾ってはダメ!

また頭の中で声がした。
指輪を拾うのを止めた彼女は、
海で一人遊んでいた。

するとはぐれた母親が
彼女を見つけてこう言いました。

これから素敵な男の子を紹介するわ。
ママのお友達の息子さんで、
病気でお外には出られないの。
だからお友達になってあげて。
おうちの中でなら、
好きに遊んで大丈夫だから。
お友達のお家はとても立派な洋館なのよ。


そう、お友達の息子の名前は朝峰涼志。
彼女はさっき遊べなかった男の子に、
その後すぐに再会を果たす。

外に出なかった彼は、
体調を崩し死んでしまう事もなく、
ヘリオトロープに出会う事もない。

そんな二人の行き着く未来が、
どうか光に満ちた素敵な未来でありますように。

マジきゅんっ!ルネッサンス

これは芸術が魔法になる世界のお話。
優れた芸術家が創り出す作品からは、
魔法のキラキラした光が溢れ出し、
見た人々に感動を与える…そんな世界。

お母さんのようになりたい。
魔法芸術家(アルティスタ)
だった母に憧れる主人公は、
アルティスタを育てる星ノ森学園に
編入する事に。

星ノ森学園は、
沢山のアルティスタを
生み出している学校で、
中でもその年の最高の
アルティスタが選ばれるという
アルティスタプリンスと
アルティスタプリンセスは、
卒業後も世界的に活躍するような人ばかり。

母も生前星ノ森学園で
アルティスタプリンスに
選ばれていた事から、
彼女もアルティスタプリンスに
選ばれる事を夢見ていた。

けれど、彼女の創り出す生花からは、
魔法のキラキラの光は出て来ない。

それでも無事に編入する事が出来た彼女は、
編入早々星ノ森サマーフェスタと呼ばれる
文化祭のような行事の実行委員に選ばれる。

選ばれた実行委員の中から、
彼女は一人の男の子とペアを組む事になり、
彼と共に魔法芸術の腕を磨いて行く
…というようなお話。

-----

攻略キャラ
・一条寺帝歌(cv.梅原裕一郎さん)
・墨ノ宮葵(cv.KENNさん)
・帯刀凛太郎(cv.小野友樹さん)
・庵條瑠衣(cv.羽多野渉さん)
・土筆もね(cv.蒼井翔太さん)
・響奏音(cv.江口拓也さん)

-----

墨ノ宮葵

※攻略した順番に記載させて頂いております。
 ☆はお気に入りキャラ


-----☆★☆-----


とても面白かったです。

KENNさんが演じられているという事で、
一番ないな…と思った葵くんから攻略した所、
物凄い彼にハマってしまって。
他の方の攻略が出来なくなりました。
それくらい色々ツボでした。

他のみんなも大好きなのですが、
お友達として側にいて、
二人の恋を応援してくれている感じが
とても良かったので。
他のみんなとはそんな関係で居たい(笑)

最初は絵の雰囲気が好みとは違うかな?
なんて思っていましたが、
実際にプレイしていると
寧ろ好きだと思うように。
スチルも綺麗でした。

アニメにもなっているからでしょうか?
エンドでアニメーションがあります!
これが凄いんですよ。

今までの恋愛イベントが、
一通りアニメで流れる感じが、
二人の今までを素敵に振り返る事が出来て。
とても感動しましたね。

エピローグもアニメーションで、
これも葵くんしか見れてないのですが、
物凄いときめきました。

アニメもありますので、
ゲームのネタバレには繋がるかと思いますが、
一度見てから購入検討されるのもありかも?

個人的にはとても好きな作品です。
葵くんという素敵な男の子を生み出してくれた
この作品に感謝の気持ちでいっぱいです。


オススメ度:★★★☆☆
個人的満足度:★★★★

2017年3月10日金曜日

ソラユメ/山瀬勇人

阪口大助さん演じる山瀬くんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


嫌なんだ。
俺のせいで誰かが泣くのは。
俺のせいでおまえが泣くのは。


-----

小さい頃は普通に仲のいい幼馴染だったと思う。
いつも一緒に居たし、二人で色んな事をした。

祭りに行って怒られたこともあった。
夜中にやる神の花嫁を見たいっておまえが言って、
でも夜中だから子供はダメって言われたのに、
二人でコッソリ見に行って。

その時の事、
おまえは忘れてるかも知れないけど、
あの時、俺、結婚して欲しいって言ったんだ。
そしたら、「かっこよくなったら」って言われて。
でも、それじゃ分からないから、
かっこいいってどれくらいなのか訊ねた俺に、
ふどうみょうおう」って答えたんだよな。

あの頃からずっと変わらない。
俺はずっとおまえが好き。

なのに、中学の時、
突然おまえに「山瀬くん」って呼ばれた時には、
かなりショックだったのを覚えてる。

それ以来、何となく二人の間に距離が出来て、
昔みたいな関係じゃいられなくなったんだ。

それでも気持ちは変わらなかった。
あの幼い日にプロポーズした時のまま、
ずっと好きだったんだ。

そんな風に離れてしまった俺たちだったけど、
水窪の田舎にみんなで行った事をキッカケに、
また少しずつ近づけた。

なのに、祭りの頃に
その気持ちを親に気づかれて。
そうして知らされた事実。
俺の家系はちょっと特殊なんだって。

俺たちの街は、
その昔人ならざるものが集められ、
学校の裏山で斬首されていた。
その任に就いていた家系がうちの家系。
代々妖なんかの斬首を行い、
その返り血を
たっぷりと浴び続けた俺の家系は、
見た目は普通の人間と変わらないし、
特に変わった能力があるわけでもないのに、
その血が人と違ってしまったんだ。

だからこの血で哭気を抑える事もできたし、
人ならざるものに血を浴びせれば、
奴らを弱らせる事も。
場合によっては
死に至らしめる事も出来るんだ。

そんな特異な血筋だから、
そんな俺がおまえの側にいる事で、
人ならざる者が側に居るおまえを狙う。

そう釘を刺されたんだ。

好きだから、大切だから。
おまえが俺のせいで
傷つくのなんて見たくない。
おまえが俺のせいで
泣くのなんて耐えられない。


出来てしまった二人の距離が、
少しずつ縮まり始めたと思ったのに、
俺はおまえから
離れなきゃならなくなったんだ。

それでも祭りで一緒に回りたくて、
自分の気持ちを優先させた結果、
おまえは何者かに襲われた。

あぁ、本当なんだ。
俺が側に居ると、
大切なやつを守るどころか、
危険な目にあわせるんだ。


やっと親の話を理解した俺は、
俺にもう近づかないでくれ」って、
おまえにそう伝えた。
本当は側に居たいのに。

辛かった、悲しかった。
けど、それでも構わない。
おまえが無事ならそれでいい。


そう思っていたのに、
結局俺の言葉はおまえを傷つけてしまった。

だから結局離れられなくて、
おまえの家に行って泊まった翌日、
家の周りが哭気だらけになってたのを見た時、
猛烈に反省した。

気持ちに負けて側に居たからこの有様だ。

それでも離れたくないって、
側にいたいって、そう言ってくれたから。
だから決めたんだ。
全部解決しようって。
俺の血を使えば浄化出来るから、
全部終わらせて、
そうしておまえを安心させてやりたいって。

俺の話に自分も行きたいと言うおまえに、
キスをして睡眠薬を飲ませ、
後のことはルーエンさんに任せて
一人出て行ったのに。
処刑場の浄化がうまくいかず、
要の公園へと向かうとそこにはおまえがいて、
ユウトと呼ばれた子供にまた狙われていた。

助けに入った俺は、全然ユウトに敵わなくて、
首を絞められながら聞いたアイツの言葉に、
なんだかその気持ちが分かっちゃってさ。
そうしたら黙っていられなくなったんだ。

忘れ去られた存在だと嘆くあいつに、
半分体を貸してやるって思わず言ってたんだ。

だってさ、気持ちが分かったから。
俺がおまえを好きなように、
こいつもおまえを好きなんだって。

だから忘れられた事が悲しくて、
どうしても側に居たいって執着してる。

それは俺だって同じだから。
だから、全部って訳には行かないけど、
半分だけ、そいつに
貸してやってもいいかなって。
同じやつを好きな気持ちが
同居するだけだろって。

そんな俺の気持ちにユウトは応えてくれたのか、
優しい人格が現れ、
俺がもしもの時の為にルーエンさんに渡し、
おまえがここに持ってきた俺の血を飲み干した。
その血で自分が消えると知りながら。

哭気と自分が同調してるから、
自分が消えれば哭気も消えて、
街は浄化されるから
…と。

そう思えたのは、俺の言葉があったからだと、
そうあいつは言ってくれた。

そうして哭気は消え、
人に触れると死に至らしめるという危険ごと、
ユウトが連れ去ってくれたんだ。
そうして訪れた平穏な日々。
今では「勇人くん」と
呼んで貰えて付き合うように。

そうそう、名前の一件は、
まだ事件が解決していない頃、
どうして山瀬呼びになったのか、
おまえが話してくれたんだよな。

あれは中二の時、
俺はろくに話した事もない女子に告白されてて。
もちろん話した事もないから、
ごめんなさいって流れになったんだ。
好きなやつ居るから…と。

そしたら、それはおまえなのか?と訊かれて、
そうだ」と答えたところでおまえが現れたから、
凄い驚いてさ。
その顔がどうやらおまえには、
勇人くんと呼ばれた事に対して、
嫌そうな顔をしたように見えたみたいで。

俺が山瀬くんと呼ばれてショックを受けたように、
おまえも俺のその表情にショックを受けて、
以来勇人くんって呼べなくなったんだよな。

その件については、ちゃんと説明して、
誤解は解いたのに、
結局なかなか山瀬くん呼びが
直らなかったおまえなのに、
付き合ってってちゃんと言葉にしたあの時から、
また勇人くんって呼んでくれるようになったんだ。

山瀬くん」そう呼ばれるようになり、
二人の間に出来た距離は、こんなにも縮まった。
手を伸ばせばいつだって触れられるほどに。

ROOT∞REXX

主人公はイギリスの高校に通う女の子。
幼い頃父の仕事の都合でイギリスに渡ってから、
穏やかな日常を過ごしていた。

ところが、両親の間に離婚話が持ち上がり、
彼女は母に連れられて一時帰国する事に。

自分の両親が離婚するかもしれない。
彼女にとって、それはとても大きな出来事で、
辛い気持ちが大きくて、前に踏み出す力も出ない。

そんな時、彼女の耳にある曲が届いた。
それはREXXというバンドのデビュー曲で、
彼女の辛い気持ちに寄り添うように心にしみて、
前に踏み出す力をくれた。

以来、彼女は彼らのファンになり、
イギリスに戻った後も彼らの事を追いかけていた。

そうして新たに手にいれた情報は、
REXXから重大な発表があるというもの。

居ても立っても居られなくなった彼女は、
その情報を直接聞きたくて単身日本へ。

不安と期待が入り交じる中、
発表されたのはREXXの無期限活動停止のお知らせ。

愕然とした彼女でしたが、
それでもボーカルのアキが、
「またいつかみんなに会えたらいいと思う」と
残した言葉を拠り所に、
父と別居する事になった母について日本で暮らす事に。

-----

攻略キャラ
 ・蓮水秋(cv.柿原徹也さん)
 ・天羽玲(cv.代永翼さん)
 ・九条駿(cv.江口拓也さん)
 ・白石聡真(cv.岡本信彦さん)
 ・桐生帝(cv.木村良平さん)
 ・朝霧仁(cv.神谷浩史さん)

-----

蓮水秋
白石聡真
桐生帝
・九条駿(ネタバレなし)

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


入野さんが攻略出来ない!
そんなの辛い!

そんな理由で購入後、
ずっと開封出来ずに居たこのソフト。
そんなあの日の自分に教えてあげたい。
「入野さんは攻略出来ないけど、
とても素晴らしい作品だよ」…と(笑)

本当に楽しいソフトでした。

REXXのみんながとても素敵で、
ずっとREXXと共に歩いていきたいと
そんな風に思わせてくれました。

Kiramuneさんが絡んでいるので、
楽曲が素晴らしかったです。
まずREXXの楽曲として使われている
柿原さんの曲がとても素敵で。
更にはそれぞれのルートで、
メンバーがソロの曲を
披露する内容になっているので、
全員のソロがあり、ゲーム内で流れます。
それもまた素晴らしかったです。

周りであまりROOT∞REXXを
プレイしてる方が居ないので、
どんどんオススメして行きたいと
思える素敵な作品でした。

内容もとても感動しましたし、
甘さも十分だったと思います。
声優さんもみんな役にあっていて、
サブの皆さんも
Kiramuneの素敵声優さんばかりなので、
豪華だしかっこ良かったです。
是非MADLipsの皆さんも
攻略出来るFDなんかも出して頂けると
いいなって思いました。


好きキャラランキング
1.秋くん
2.帝先輩
3.白石くん
4.九条先輩

…という感じのランキングですが、
本当にみんな素敵でした!


オススメ度:★★★★
個人的満足度:★★★★★

2017年3月9日木曜日

ソラユメ

163本目の乙女ゲーム。
TAKUYOさんのPSVita用ソフト。

骨董品店の一人娘の主人公。
彼女の両親はとても自由で、
よく彼女を残して夫婦で旅に出てしまう。
今回もいつものように置手紙を残し、
勝手気ままに旅に出た両親。

店を頼まれた彼女が店番をしている時に、
やってきたお客に尋ねられた鏡を探そうと、
入ることを禁じられていた蔵の中に。

そこで見つけた指輪を嵌めると、
突如悪魔が現れたのです。

指輪に封印されていると言う
その悪魔とともに、
彼の求める指輪を探すことになった彼女。

そうして始まった悪魔との共同生活。
彼女は無事に
指輪を見つける事が出来るのでしょうか?

-----

攻略キャラ
 ・ルーエン・エグランティーン(cv.置鮎龍太郎さん)
 ・山瀬勇人(cv.阪口大助さん)
 ・水窪一真(cv.津田健次郎さん)
 ・餘部透(cv.日野聡さん)
 ・御剣暁(cv.草尾毅さん)
 ・朝峰涼志(cv.立花慎之介さん)

-----

山瀬勇人
朝峰涼志

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。



-----☆★☆-----


毎度の事ながら、
全員のシナリオ見てないのに、
全体の感想とかおこがましくてすみません。

個別の所では書いてない
全体の印象っぽい事を語りたくて(笑)

面白かったです。
ファンタジーな感じで不思議な世界でした。

TAKUYOさんはミニゲームがある
印象が強いですが、
この作品にはミニゲームはなく、
選択肢のみで物語が進んで行きます。

水窪くんと山瀬くんは
普通の高校生って感じですが、
山瀬くんには「実は山瀬くんは…」
みたいな要素があったので、
水窪くんもあるかも知れません。

餘部先輩や暁さんなんかは、
怪しい要素満載で大変気になります(笑)

そしてメインのルーエンも
悪魔なのにとってもいい人で、
過去の気になるシーンもチラッと出てたので、
本当はもう少し色んな方を攻略したい所ですが、
いい感じの余韻に浸ってしまい、大満足。

映画館で余韻に浸りすぎて
立ち上がれないあの感じに似ています(笑)

山瀬くんはもう凄い好みでしたし、
朝峰くんは内容が凄すぎて。
満足してしまったので、
二人で終わらせて頂きましたが、
素敵な作品でした。

朝峰くんのエピローグ、秀逸でした。

TAKUYOさんって、
結構いいシナリオの作品多いですね。
また今後もお世話になりたいなって思いましたし、
阪口さんがビックリするくらい
好みのお声でしたので、
また会いたいと心から思いました!
素敵な作品を有難うございます。


好きキャラランキング
1.山瀬くん
2.朝峰くん


オススメ度:★★★☆☆
個人的満足度:★★★★

悠久のティアブレイド/ロウ

松岡禎丞さん演じるロウのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


覚えてる事を箇条書きで。

-----

3000年前の戦争の際に、
ネオスフィアに入り損ねた彼は、
脱出艇に乗せられるも
瓦礫の下敷きに。
スペースが狭い瓦礫の下で、
再生が出来なかったために、
眠りについていた。

彼女が捜索を諦めた地震により、
スペースが確保され、
ナノマシンにより再生された。

再生後は一人彼女を探し、
アルカディアと出会う。
記憶のオーバフローに
耐えられなくなり、
アルカディアと手を組み、
記憶のバックアップのために、
自分のクローンである
アタルヴァ達を生み出した。

彼女を探すために技術が必要で、
誰もいない地上の工場を直し、
擬似人類を作る。

彼らが文化を発達させるまで、
何度も何度も
新しい擬似人類を産み出し続けた。
擬似人類のシュド達には
神のような存在。

ネオスフィアで彼女と再会するも、
彼が求めていたのは過去の彼女で、
彼女と対消滅する事で、
アルカディアのサーバに
取り込まれようと考えていた。

アルカディアに裏切られ、
一度は分解されてしまうも、
彼女が過去の自分と融合し、
その力を使い彼を取り戻す。

更には封印中に
転換炉から得ていた
エネルギーを使い、
一度はアルカディアを閉じ込めた。

過去の自分との融合の際に、
現在の彼女は消えてしまった。

後に現在の彼女はエピローグの際に
地上で彼女の妹のように
暮らしてはいるものの、
その姿はクレイドル。
まだ現在の彼女の全てを
取り戻せていないけれど、
いつか元に戻す
…と二人で頑張っている様子。

一度は閉じ込めたアルカディアを
再び呼び出し、
騎士の武器を使い
転換炉を破壊する事で、
完全に封印させた。

アルカディアのメインフレームを
譲り受けたクレイドルが、
地上を管理するAIとして活躍。

彼は地上の人類の創始者として、
彼らを見守ることに。
そして彼女はそんな彼と共に。

記憶のオーバフローは、
彼らが忘れる機能を
装備する事で回避。

彼女がネオスフィアで
住んでいたあの家は、
エルザが特別に彼女のためにと
用意してくれたものだと言う事も、
このシナリオで分かる。

2017年3月8日水曜日

7'sCarlet

174本目の乙女ゲーム。
オトメイトさんのPSVita用ソフト。

一年前の夏、主人公の兄は
奥音里へ行ったきり、
忽然と姿を消した。

迎えた翌年の夏。
未だ兄は見つからない。

そんな中、彼女の幼馴染のヒノが、
奥音里禁忌倶楽部
というサイトを見つけた。
そこには三日月型をした
田舎街奥音里にまつわる
謎や伝承について書かれていた。

そうしてそのサイトのオフ会が、
奥音里の風厘館で開かれる事となり、
ヒノと共に奥音里へ。
兄の失踪の謎を解くために。

所が彼女達が訪れた奥音里で、
今度は彼女たちが
事件に巻き込まれて………。

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攻略キャラ
・迦具土ヒノ(cv.島崎信長さん)
・甘梨イソラ(cv.柿原徹也さん)
・櫛奈雫トア(cv.森久保祥太郎さん)
・建比良ソウスケ(cv.沢城千春さん)
・叢雲ユヅキ(cv.三木眞一郎さん)
・ハナテ(cv.緑川光さん)

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・迦具土ヒノ☆(ネタバレなし)
甘梨イソラ
櫛奈雫トア/真相
・建比良ソウスケ
叢雲ユヅキ
ハナテ(真相)

※攻略した順番に記載させて頂いてます。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


とても楽しめました。
ミステリー要素が気になり、
夢中で攻略させて頂きました。

ただ、乙女ゲームとしての
ときめきを求めると、
「何か違う?」と感じてしまう可能性も。

そういう意味で、
プレイする人を選ぶ作品かな?と思います。

私はミステリーが好きなので、
恋愛そっちのけで、
謎を知りたいという願望に
突き動かされるまま、
攻略させて頂きました。

ときめきよりも、
驚きとか感動が多いという印象。
感動するお話も大好きなので、
トアくんの真相とか泣かせて貰いました。

全員攻略後に開く、
ハナテさんの真相のルートも、
とても良かったです。
何より終わり方が素敵だったな…と。
勝手に未来に希望を持ってしまうような
素敵な終わり方だったと思います。
その庭のシーンへ繋がる伏線とかも、
凄くうまかったですね。

そしてシーンが切り替わる時に、
壁紙的なものが表示される作品は
今までも結構見たように思うのですが、
その時にロゴが動くというか。
その演出がすごいです!
後冒頭のバスのシーンとかも、
ゲームじゃないみたいで。
そこだけでもワクワク出来ました。

「かまいたち」とか好きだったり、
興味あるって方は、
きっと楽しめると思いますので、
挑戦してみて下さい。

後内容とは関係なのですが、
一番好きなヒノくんの
ネタバレのメモを失くした事が、
一番悲しかった出来事でした(笑)

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好きキャラランギング
1.ヒノくん
2.ユヅルさん
3.イソラくん
4.ハナテさん
5.ソウスケさん
6.トアくん


オススメ度:★★★☆☆
個人的満足度:★★★★★

悠久のティアブレイド

175本目の乙女ゲーム。
オトメイトさんのPSVita用ソフト。

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汚染された地上、黒い雲に覆われた空。
大気汚染により、
人々は肺の病に侵されて死んでいく世界。

そんな世界のスラム街で
何でも屋をしているシュドは、
ある日突然自分の父親代わりだった人を
訪ねて来たアタルヴァという青年に
巻き込まれる形で
ネオスフィアというシェルターの中へ。

そんな風に突然シェルターの中に
現れた二人と出会った主人公は、
このネオスフィアの中で
もう3000年もの時間を
管理AIと共に過ごしていた。

管理AIがいるとはいえ、
実質一人ぼっちの彼女の3000年は、
代わり映えのしない毎日。
そんな彼女の毎日が、
突然の訪問者により一変。

更には彼らを追うかのように
現れた軍のゴーレム。
なぜか狙われるように
なってしまった彼女と、
彼女を守る訪問者の二人、
そしてティアブレイドと呼ばれる
人型兵器。

3000年も続いた
穏やかな日々が一変し、
彼女がたどり着く未来とは?

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攻略キャラ
 ・シュド(cv.石川界人さん)
 ・アタルヴァ(cv.寺島拓篤さん)
 ・ヤジュル(cv.近藤隆さん)
 ・ロウ(cv.松岡禎丞さん)
 ・クレイドル(cv.柿原徹也さん)

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シュド
アタルヴァ
ヤジュル
ロウ
クレイドル

※攻略した順番に記載させて頂いております。
 ☆はお気に入りキャラ。


-----☆★☆-----


凄く面白かったです。
ガンダムみたいなロボットが戦うって、
乙女ゲームでは珍しいと思うんです。
だからビックリされる方も
多いかと思いますが、
とてもおもしろいです。
そしてティアブレイド、カッコいいです!

シナリオもとても凝っていて。
環境の事とか、技術の発達の事とか、
なんか色々考えさせられました。

結構難しい部分もあり、
私は理解力が乏しいので、
一周目とかちゃんと
覚えられない所もありましたが、
周回を重ねるうちに、
普通に理解出来るようになりました。

立ち絵もスチルも綺麗でした。
音楽も世界観にあっていて良かったです。
声優さんもとても役にあっていて、
皆さんの演技、素晴らしかったです。

サブにも素敵な声優さんが
演じられていて、
どのキャラもとても素敵でした。
カーマインさんとか攻略したかったです(笑)

みんな素敵で大好きなのですが、
シュドが本当に大好きで。
そんな
シュドに出会えた事が
一番の収穫だったと思います(笑)


好きキャラランキング
 1.シュド
 2.クレイドル
 3.ヤジュル
 4.ロウ
 5.アタルヴァ


オススメ度:★★★★★
個人的満足度:★★★★★

2017年3月6日月曜日

下天の華 with 夢灯り/明智光秀

野島健児さん演じる明智光秀のネタバレ感想です。


-----☆★☆-----



いくつかネタバレ的なものを
箇条書きでご紹介します。

・どこに仕官しても、すぐに謀反を疑われ、
 長続きしないため、
 もう諦めかけて居た時に、
 信長と出会う。

・彼が有能である事を買い、
 自分に仕えるように 
 …と言う信長の言葉により、
 信長に仕官。

・有能である故に、
 ここでも周りからは
 ふたごころがあるのでは?
 と疑われるも、主である信長は、
 決して彼を疑わない。

・今までの経験から、人を信じないし、
 人を頼らない光秀でしたが、
 主人公の働きやひたむきさに、
 彼女を信じるように。

・蛍見の宴を前にして、
 信長暗殺は敵を欺く為のものだと
 彼女に知らせた。

・彼女がくないを
 信長に当たらないように投げる予定が、
 光秀との会話を聞いていた
 百地により妨害され、
 百地のくないが信長をめがけて飛び、
 光秀が見を挺して信長を救う。

・それが原因で彼女は裏切りを疑われるも、
 わざと捕まり、
 主人が信行だと言い張った。

・最後のそれが活き、
 無事に信行を捕縛するも、
 牢から逃げられ、本能寺の事件が。

・彼女が信長に先に知らせ、
 信長の代わりに光秀が信行を
 迎え撃ち捕らえた。


-----

メモを失くしてしまった為、
覚えている事を箇条書きでご紹介しました。

他の方が好み過ぎて、
大好き!とはなりづらい彼でしたが、
とても素敵でした。

そして人のルートなのに、
信長様がかっこ良かった事が印象深いです(笑)

悠久のティアブレイド/クレイドル

柿原徹也さん演じる
クレイドルのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


約束します。
これからもずっと側に居ると。
AIは守れない約束はしないものです。

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それは2500年ほど前、
彼女が記憶のオーバフローで苦しみ、
彼が助けたあの時、
彼女のボディを作ってくれた
クイーンが倒れ、
彼が自分が一人ぼっちだと気付いた。

ネオスフィアの管理AIなのに。
彼女が眠りについたなら、
自分はこれから
何をすればいいのだろうか?
果てしないほどに続く長い時の中、
役目もないまま流れる時間。
そこには自分以外は誰も居ない。

それを思い描いた時、
彼はAIでありながら感じてしまった。
彼女に側に居てほしいと。

そうしてクイーンの作ってくれた
彼女のボディを点検し、
彼女の脳を移植後、
眠らせるはずの彼女を目覚めさせた。
ただ一緒に居たかったから。

でもそれは間違いだった。
ミスを犯してしまった。

そのせいで彼女に
余計な悲しみを

背負わせてしまったから。

そう嘆く彼だったけれど、
彼女は良かったと言う。
今の自分として、彼に会えたから。
それに寂しい気持ちは
良く理解出来たから。

壊れた彼を直すためにと、
クイーンに先導され
メインフレームを目指す中、
会話の噛み合わなかったクレイドルが、
彼女が聞いた
どうして私を作ったの?」にだけ、
何故か答えたのだ。
それは彼女に対する
罪の意識からだろうか?

そんな事言わないで!
ミスなんかじゃない。


彼に訴える彼女。
でも、クレイドルはもう何も話さなくて。
だから、彼女は彼を抱きしめて泣いた。

大丈夫、絶対直してあげるからと。
ずっと3000年も守って貰ったから、
今度は私が守るからと。

そうしてメインフレームに
たどり着いたのに、
あと少しで彼を直せると言う所で、
ヤジュルが現れた。

クイーンは壊され、
それでも彼を守ろうとする彼女。

すると彼女に抱えられて居た彼は、
その腕から飛び出した。

守ってくれてありがとうございます。
今度は私が守りますから。


笑顔の表情をその画面に映した彼は、
そのままヤジュルに抱きつき、
自爆した。

彼だけは守りたかったのに。
彼が居ないなら

生きていても意味がない。

彼が自爆した事で
諦めてしまった彼女。
敵であるヤジュルを前に、
その瞼を閉じた。
するとそこに、
聞こえるはずのない声が聞こえた。
2人分聞こえるその声は、
ヤジュルから
彼女を守るように前に出る。

ずっと3000年間
側で聞いていたのだから、
聞き間違えるハズなんてない。

そう、その声の主はクレイドル。
メインフレームの再起動は
既に完了していて、
けれど状況から
前のボディでは勝てないと判断し、
人型になって現れたのだ。

1人は大きな大人のクレイドル。
もう1人は小さな子供のクレイドル。

そうして大人クレイドルの
手を取った彼女は、
彼に連れられて外へ。
ヤジュルの相手はもう1人のクレイドル。

そうして森の中で再会を喜んだ2人だったが、
すぐにゴーレムに囲まれてしまう。
もう逃げるしかないと彼女が思った時、
ティアブレイド」と彼が叫ぶ。

彼女を全能力を使い守る!
再会後そう誓った彼に、
騎士たちは彼女を守る力を与えた。
その証拠に彼の指には、
ティアブレイドの操縦者の証のリングが。

そうして度重なるバトルで、
出力が低下して居るからと、
ティアブレイドの手足を捨てた彼。
そのボディは
今までのティアブレイドとは
全く違うものに。

そうして電子戦でゴーレムを
アッサリハッキングで倒した。

一方、ロウは
アルカディアに埋め込まれた
ウイルスにより、体は限界に。
それに気付いたアルカディアにより、
その身体を消滅させられ、
ナノマシンを奪われてしまう。

そうしてナノマシンの力を
手に入れたアルカディアは、
ロウのティアブレイドを操り、
2人の元へ。

最初はアルカディアの
力に圧倒されたものの、
自分の生みの親である
クリエイターと、
何よりも大切な彼女を
馬鹿にされた事に激怒し、
自分のメインフレームに
通常の10倍もの負荷を掛けることで、
アルカディアを封印。

無事に戦いを終わらせたものの、
ネオスフィアは転換炉も失い、
彼のメインフレームも失い、
浮上することができなくなった。
そのため、アルカディアが改造した
転送用ゲートを使い、
シュドとアタルヴァ、
そして彼と彼女は地上へ。

もう1人のクレイドルは、
過去の彼女と、
ロウが眠りについて居るから、
管理AIとして、
共にネオスフィアに残る事に。

地上の大気汚染は、
アルカディアの
ウイルスを解析した事で、
浄化の装置を作る事に成功。

ただし、彼女の脳のナノマシンすらも、
その装置は分解してしまうんだとか。
それを使う事で
不老不死ではなくなるものの、
大好きなクレイドルが
人になってしまったのだから、
自分も共に人として生きたい
 という彼女。

そうして2人はシュド達と共に、
何でも屋で過ごす
新しい日々を手に入れた。

-----

ネオスフィアで共に過ごした悠久の時。
人となった今、
私たちに残された時間は、
束の間のようなものかも知れない。

それでも、終わりがあるからこそ、
今と言う時間を大切に生きていける。
愛するあなたと寄り添いながら。

2017年3月5日日曜日

下天の華 with 夢灯り/織田信長

松風雅也さん演じる織田信長のネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


これからは、余の隣で新たな世を生きよ。
余の半身は、未来永劫、お前だけだ。


-----

第六天魔王信長。
誰もが恐れる彼には、
ともに夢を目指す沢山の家臣がいたし、
彼らに慕われてもいた。

けれど、壮大なその夢を、
彼に寄り添い、共に目指してくれるような、
そんな相手には出会えずにいた。

でも、いつか出会えるだろうと、
その相手をどこかで探していたのだろう。
彼は高価な茶器を用意して、
その出会いを待っていたのだから。

高価なその茶器の内に描かれているのは、
寄り添い飛ぶ二羽の鳳。
その鳳のように、寄り添いあい、
共に歩めるように…と。

そんな時、彼女は光秀の命により、
明智の姫として彼と出会った。
もともと忍びである彼女は、
普通の姫とは違い、変わり者の姫だった。
それが彼の興味を引いた。
面白いおなごだと。

そうして共に過ごすうちに、
彼女が自分に好意を抱いている事にも気づき、
彼もまた彼女を愛おしく思っていたのに。
ある日気づいてしまった。
光秀が雇い入れた忍びが彼女である事に。

それは蛍見の宴で、
謀反を企む信行をあぶり出すための計略。
その作戦の肝は彼女だった。

忍びのくせに、心根のまっすぐな彼女は、
すぐその感情が顔にでる。
だから光秀も本当の事を話せなかったし、
彼女の正体に気づいた彼もまた、
話す事はできなかった。

けれど、一つだけ伝えたかった。
自分の命を奪う事を躊躇っている彼女に。
顔が青ざめる程、思い悩んでいる彼女に。

そうして琵琶湖に連れ出して、

余の命はお前にくれてやる。
余を信じて、全力でかかって来い。


そう告げた彼。

血に見えるように、墨を仕込んで、
信行をはめる計画のすべてを、
彼女に話す訳には行かないけれど、
大丈夫だと、信じて欲しいと伝えたくて。

その甲斐あってか、
無事に信行を捕らえる事に
成功した彼女は、
光秀の元はお役ごめんとなり、
今度の雇い主は彼に。

それだけでも、動揺している彼女を、
今度は妻として娶りたいと言い出した彼。

自分は忍び。
どんなに彼に恋い焦がれようとも、
天下人の妻になどなれる訳がない。


そう思う彼女は、
どうしても首を立てに振れずに
悩んでしまう。
そんな彼女に、彼は猶予をくれた。

これから上洛するから、
余が安土に戻るまで時間をやろう
…と。

それでも悩んでいる彼女に、
光秀が教えてくれた。
彼女が忍びだと知った時、
彼は大層嬉しそうだったと。

その言葉に勇気を貰い、
自分の気持に正直に
彼の元に行こうと決めた矢先、
信行が何者かの手引で
牢を抜け出したとの報告が。

狙いは間違いなく彼。
急いで助けないと!
…と鳥に変じて本能寺へ。

信行軍は2000なのに対し、
信長軍は100程度。
彼女が危険を知らせてくれたものの、
本能寺には火を放たれて、
光秀軍の到着までにはまだ時間がかかる。

だから彼は諦めてしまった。
もとより人の命の儚さを、
誰より強く感じていた彼だから。
ここで天下への道が潰えた…と、
そう思ってしまった。

そうして彼女と蘭丸だけは逃がそうと、
二人を説得した彼は、
一人中で弟を迎え撃つつもりだった。

なのに、蘭丸が気を利かせて先に出ると、
彼女は彼に告げた。

私はあなたの半身。
あなた一人を残しては行けない。
信長様だけを地獄の旅路へと
送り出せない
…と。

そうして彼女は長老の話を
思い出していた。

誰かとの強い心の繋がりがあり、
その人のためと強く願えるのなら、
私利私欲のためでないのなら、
一度だけ、見た事のないものに
変じる事が出来る。


そう教えられた言葉を。

だから願った。
愛する人を炎の中から
救い出せる大きな鳥、
そう鳳に変じる事を。

彼女の彼への想い、
彼の彼女への想い、
互いが互いを想う強い想いが、
彼女を鳳に変え、
彼を炎の中から救い出した。

その後、彼女は忍びの里へ。
彼のはからいで、
彼女を妻にと貰い受ける事で、
伊賀の里と和睦を結ぶ事に。

無事に彼の元に戻って来た彼女は、
明智の姫として、彼の正室に。
-----
共に夢を追い続けよう。
戦乱の先の泰平の面白き世を目指して、
二羽の鳳のように。


余の夢路には、お前が必ず、
寄り添っていなければならないのだから。

下天の華 with 夢灯り/森蘭丸/夢灯り

島崎信長さん演じる森蘭丸の
夢灯りのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----



俺があなたを好きな分だけ、
あなたにも俺を好きになって欲しい。
そうやってこの先も、
あなたと寄り添って生きて行きたい。


-----

これは、下天の華本編の本能寺の後の話。

誰とも恋仲にならかった彼女は、
安土に残り忍びとして働き続け、
いつしか「安土の盾」と呼ばれるように。

けれど、彼は気に入らない。
忍びのような怪しいものが、
信長様のお傍にいるなんて
…と、
いつも警戒していた。

だって彼女は、
変化と言う怪しの術を使い、
自在に姿を変えるのだから。

そう思っていたのに。
以前、御前試合で手合わせをして以来、
親しくなった七介の正体が彼女だった。

七介とは、なんでも話せる友になれる、
そう思っていたのに。

騙されて居た。

そんな思いで溢れてしまった。

そうして以前にも増して、
彼女との距離ができたにも関わらず、
彼女は彼を訪ねて来た。

蘭丸と友になりたい。

そう告げる彼女。
けれど彼女は忍びだから。
そんな怪しい人間を
信じられるはずもない。

真っ直ぐな彼はそう思い込んでいた。

けれど、度々訪れる彼女と語らう内に、
その心根は七介の時と変わらない、
そう思えるようになった彼。

そう、彼は知っていた。
七介の太刀筋が、
伸びやかで真っ直ぐであった事を。
それは即ち、七介である彼女の人柄が、
そのように真っ直ぐである証だったのに。

頑なな態度で、
見えなくなっていたそれに気づいた時、
彼は彼女と友になる事が出来た。
そうして共に安土を守ろうと、
鍛錬を重ねる日々。

そんな中、任務中の彼女と共に、
盗賊の捕縛に成功。
その事を盗賊の被害にあった商人が喜び、
彼に反物を贈ってくれた。
城のみんなも、口々に彼を訪ねて称えた。

確かにそれは有難い事だし、
彼が捕らえたのも嘘ではない。
けれど、それは彼女の助けが
あったからこそ
なし得た事だったから。
だから、手放しで喜べない。
自分だけが評価され、
共に活躍した彼女の功績を
誰も称えない所か、
彼女の活躍自体が公にならないから。

そんな事を考えている彼に、
彼女は笑顔で言うのです。

蘭丸が知っててくれれば、
それで十分です。
それが一番嬉しいです。


それでもスッキリしない彼は、
彼女に打掛を仕立てて贈った。
自分が商人からもらった藍色の反物と、
同じような柄の赤い反物で。

その事をひどく喜んでくれた彼女。
そんな笑顔に、知らず高鳴る彼の胸。

友であるはずなのに。
どうして俺は、
彼女といるとこんなにも、
胸が高鳴るのだろう?


その頃安土では、
不思議な事件が起きていた。
動物が立て続けに信長様を狙う事件。

鷹狩りの際に、
暁と呼ばれる信長様の鷹が、
信長様の目を正確に狙ってきたり。
市で暴れて居た猿を捕らえたら、
捕らわれの猿が小刀を持ち出し、
信長様を襲って来たり。
御前試合の景品にと、
自分の愛馬を連れてくれば、
今度は愛馬の黒鉄が暴走し、
信長様を狙ってきたり。

どれもこれも、
まるで動物が何者かに
操られたように、
信長様ばかりを狙ってくる。

愛馬の事件の際には、
信長様を襲う黒鉄を誰も止められず、
彼女が七介の姿のまま、
馬を止めるためにくないを放った。

彼女の機転で、事なきを得たものの、
くないを逃げた事から、
七介の正体は忍びで、
一連の事件は忍びの七介の仕業だと、
騒ぎになってしまった。

七介の件で開かれた評定では、
半兵衛が見つけた、
彼女の裏切りを示すような伊賀への文と、
忍法帖と呼ばれる巻物により、
参加者の殆どが七介を犯人として、
話を進めていた。
そんな中、彼だけは違った。
彼は知っていたから。
七介に変じている彼女が、
いかに志の高い人間なのかを。
いつも安土を守るために、
誰の評価も求めず、
ひたすら努力していた事も。

そんな彼の言葉と、
そこまで彼と言う人間に
信頼されている事から、
信長様は彼女を
…七介を信じてくれる事に。

そうして二人で協力し合い、
無事に真犯人である
半兵衛へとたどり着いた。

事件解決後、
彼女への想いは友情だけでなく、
愛情である事に気付いた彼は、
以前彼女に勧められた通り、
小姓の職を辞して、城主になる事に。
安土を去る事を決めた彼は、
彼女に伴侶になって欲しいと伝えた。

志を同じくする二人だから、
伴侶として、天下布武の為、
尽力して行けるように。

-----

この先長く続く未来も、
あなたとなら輝いて見えるでしょう。
共に幸せになりましょう。

下天の華 with 夢灯り/森蘭丸

島崎信長さん演じる森蘭丸さんのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


今だって、あなたが何者なのか、
本当は良くわかっていない。
でも、俺はずっとまっすぐに、
あなたを見て来たから。

-----

父のようになるな
信長のその言葉の真意を
はかりかねていた彼。

信長の小姓として、
いつも武芸を磨いていて、
御前試合があれば優勝する。

けれど、それだけ。
鍛錬は鍛錬。
試合は試合。
実際の戦での戦いは全く違うハズだから。

だから彼は戦に臨みたかった。
尊敬し慕っている信長の役に立ちたくて。
戦で実践から得た経験こそが、
立派な将として
主を支えるために必要だと思うから。

けれど、信長は「父のようになるな」と、
そういうばかりで、
彼を決して戦には連れ出さない。

それはすべて自分が至らないからだと、
日々腕を磨くものの、
一向に訪れない出陣の機会に、
正直焦りもあったのかもしれない。

その頃出会った明智の姫に、
思わず話したその思い。

すると彼女は教えてくれた。
戦で命を落とした彼の父。
その父のようになるな
…という信長の言葉は、
これから先も彼が必要だという意味だと。
まっすぐな彼は、自分の命を惜しむ事なく、
飛び込んでしまうだろうから。

けれどずっと仕えて欲しいから、
側において置きたいから、
彼を戦に駆り出さない。
自らを生かす事が
何より信長のためになると、
彼が理解出来るまで。

そんな主の思いを理解する事が出来た彼。

それも彼女に出会ったから。
彼女はいつも彼の話に耳を傾け、
優しい笑みを見せてくれる。

だからだろうか?
気づいたら彼女が気になって仕方なかった。
小姓として主を護る事が全てだった彼に、
心を注ぎ、主と同じように
護りたいと思わせた相手、
それが彼女だった。

そうして少しずつ二人の距離は、
近づいて来たと思ったのに。
信長上洛を前に、
蛍見の宴を催す準備を始めた頃から、
彼女との関係がおかしくなりだした。

何をしてても上の空かと思えば、
とても辛そうな顔を見せる彼女。
理由を訊ねても、答えてはもらえない。
それも自分が至らないからだろうか?

彼女を想いながらも、
光秀が歌会の折に読んだ歌から、
城内では光秀にふたごころあり…と、
噂されるようになり、
彼は主の警固の件で忙しく過ごしていた。

今回の宴の警固の担当は光秀。
だから心配だったのです。
ふたごころありならば、
主の命が危ないのでは?と。
そうして主に申し出て、
警備が手薄な場所に張り込んでいた彼。
彼の読み通り、そこに曲者が現れた。
現れた曲者は女の忍び、くのいち。
そうして刃を交え、
相手の肩を負傷されたものの、
怪しの術を使い姿をくらました。

一体何者なんだろう?
そんな事を考えていた彼の目に、
見たくないものが飛び込んで来た。
先程刃を交えたそこに、
彼が想いを寄せる彼女に贈った、
かんざしが落ちていた。

嫌な予感に突き動かされ、
彼女の元を訪ねると、
彼女がその曲者であり、
信長の命を狙っていた事を知ってしまった彼。

それでも彼は信長の小姓だから。
彼女がその意思で行ったわけでなく、
忍びとして、
主の命に従っただけと知りつつも。

信長の前に連れて行ったものの、
主に斬れと命じられても、
彼には彼女を斬る事はできなかった。

蘭丸に斬られるのなら、良かった

彼女がそう言って目を閉じたから。

あぁ、全てが嘘だった訳じゃないんだ。
俺の想い人は死ぬ間際でも、
こんなにも美しい。
真っ直ぐな心根の人なんだ。


だから彼はあんなにも、
一心に仕えてきた主に逆らった。
彼女を助けて欲しいと。
必死に頼む彼の言葉に、
彼女を彼に預ける事を決断した信長。


翌日、暗殺の命は敵を欺くためのもので、
彼女の罪は不問とされた。

その後、彼は信長と共に上洛し、
彼女は忍びの里へ。
けれど、その前にと
明智の邸に挨拶に向かった時、
信長暗殺未遂で捉えられていた信行が、
牢から逃げ出した事を聞いた彼女。

信長様と蘭丸が危ない。

そう思った彼女は鳥に変じて本能寺へ。
急ぎの行軍で本能寺へとついた明智軍と、
危険を知らせ、加勢した彼女の働きで、
信長も彼も無事に燃え盛る本能寺から脱出。

彼女を斬れと言われた事、
本能寺での出来事。
一連の出来事が、
彼に命の大切さを教えてくれた。
主の命、想い人の命、そして自分の命。
どれも大切で護りたいもの。
生きて側で仕えたい、護りたいと。

その後、彼女は彼と共に生きるために、
忍びの里へと戻った。
忍びを捨てて、彼の元へと戻るために。

-----

この先、どんな困難が待つか、
俺にはわかりません。
ですが、一緒に生きて行きましょう。
俺はあなたとともに、
この生涯を精一杯歩んで行きたい。


どんな姿でも、どんな立場でも、
あなたを思う気持ちは、決して色あせない。
だから俺と一緒になってくださいますか?
嘘偽りのない夫婦として。

悠久のティアブレイド/ヤジュル

近藤隆さん演じるヤジュルのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


だから今度は
オレがお前の過去になってやる。
兄弟や仲間の仇を討ったと言う過去に。

-----

栄華を極めたユニオンは、
同盟国には
とても寛容であったものの、
非同盟国への対応はヒドイもので、
エネルギーを高額で売りつけていた。

そんなにまでして
手に入れたエネルギーでも、
使えるのは一部の富裕層のみ。
ヤジュルのような最下層の人間は、
エネルギーの恩恵に浴する事はない。

地べたを這いつくばるように生きた彼は、
少年兵として最前線に。
体は機械にされ、
脳だけ自前という状態に改造され、
戦闘に関する知識のみを
インストールされた唯の駒。

そうして最前線で戦う中、
熾烈な争いに仲間は
次々と死んで行った。
死んだ仲間の死体の山に身を隠し、
彼は必死に生き延びていた。

そんな彼の元に、
近くで死んだ仲間の頭が転がってきた。

こいつは誰だ?
確か隣で戦っていた仲間のはずだ。
けど誰なのか思い出せない。
名前も分からない。


そう、ここで死ぬという事はそう言う事。
誰なのか、何をなしたのか、
誰にも知られずに死んで、
誰にも憶えていて貰えない。

そんな人生は真っ平だ!
オレは絶対に何かを成してやる。
名前を歴史に刻んで
忘れられない人物になってやる。


何も持たない少年は、
ただ、そんな過去を刻みたいと願った。

そうして生き延びた彼は、
唯一自前であった脳も捨て、
生体コンピュータにして、
罪悪感や戦いの邪魔になる
全ての感覚を捨てた。
そうまでしても、何かを成したかったから。

戦功を上げ続けた彼は、
ついに工作員にまで上り詰め、
シンガルの工作員として雇われて
議員になりすましユニオンへ。

そうして彼とアルカディアにより、
あの人類を
滅ぼす事件は引き起こされた。

アルカディアとの取引内容は、
人類を滅ぼすような大事件を
起こしたのはヤジュルだと、
そう記憶して居て欲しいと言うもの。

それで彼はアルカディアの記憶の中で、
人類を滅ぼした大罪人として
永遠に生き続ける。

何も持たない彼が、
たった1つ望んだもの。

けれど技術主任の
アイナを殺害する際に、
騎士団団長のギルが、
ボロボロながらも駆けつけ、
二人掛かりで彼は治療ポッドへ
閉じ込められ、
そのまま殺されてしまった。

けれど満足していた。
全て仕込みは終わっていたから。
後は自分が死んでも、
人類は滅ぶのだから。

そうして彼はお望み通りの大罪人に。

-----

そんな風に終わったハズだったのに。
彼女が見つけてしまったから。
彼は突如蘇らせられた。

初めは記憶もなく、
自分が何者かも分からない中で、
彼女やシュド、アタルヴァ、
そしてクレイドルと過ごす時間が
とても楽しかった。
彼女と共にティアブレイドで戦い、
彼女を守る騎士に
なりたいとも思ったのに。

彼は全てを思い出し、
仲間として過ごした彼女達を裏切った。

シュドは頭を撃ち抜かれ、
アタルヴァは捕らえられ、
彼女もまた家に囚われてしまう。

そうして彼とロウにより、
自分の身に起きた出来事を知り、
自分は本体ではなく、
過去の自分から
脳を借りているだけの存在だと
知ってしまった彼女。

更には特別な感情を抱いていた彼は、
過去の自分の
大切な人たちを奪った相手、
そう、今の彼女を生み出した張本人。

そうして一度は彼を
恨みの感情から殺そうとしたものの、
その怒りや恨みの感情は、
自分自身のものではなく、
過去の彼女のものだと気付き、
今の自分は例え裏切り者だとしても、
彼を殺す事など出来ない事を理解した。

だって、彼が好きだから。
どんな罪を背負っていても
生きていて欲しかったから。

そうして今の彼女は、
怒りを収めたものの、
過去の彼女は違っていた。

過去の彼女は怒りに支配され、
もうその感情しか無くなってしまい、
再び化け物と化した。

そんな過去の彼女の暴走を止める為、
2人は力を合わせ世界を救った。
そして過去の彼女のナノマシンの力が
ロウのそれより上回った事から、
その力を騎士達が
地上の汚染物質へと向け、
地上の浄化にも成功した。

けれど暴走を止める戦いで、
ヤジュルの体は消滅してしまった為、
過去の彼女の世界に
彼女を助けにきたものの、
共に帰る事は出来なくなってしまった。

お前が憶えててくれるなら、
オレは満足して死ねる。


彼の言葉に嘘はないだろう。
けれど彼女は納得しなかった。
だからナノマシンに願った。

彼が苦しんで
最後まで生きるのを見届けるから、
お願い、ヤジュルを助けて!
と。

意思の力が上回れば、
人1人の体を再生するくらい、
ナノマシンなら造作もない。

そうして2人は
ナノマシンの対消滅に巻き込まれ、
消えてしまった。

それから三年の月日が流れたある日、
2人の願いは聞き届けられ、蘇った。
死んでいたのか、どこにいたのか、
それは2人とも分からない。
地上でもネオスフィアでも無いところで、
多分一時的に
消滅していたのかも知れない。

かつて、何も持たなかった少女と、
何かを得ようとした少年は、
こうしてそれぞれに手にいれた。
互いに大切だと思える相手を。

-----

3000年もの時を超えて2人は出会い、
そうしてオレ達は手に入れた。

誰よりも何よりも大切な
掛け替えのないたった1人を。

2017年3月4日土曜日

下天の華 with 夢灯り/徳川家康/夢灯り

小野賢章さん演じる徳川家康さんの
夢灯りのネタバレ感想です。


-----☆★☆-----


伊賀攻めをするというのなら、
僕は伊賀方に付きます。


彼女が疑われ、伊賀攻めの話が出た時、
彼が信長の前ではっきりと言った言葉。
それほどまでに、
彼女を彼女の故郷を
守りたいという彼の強い想い。

-----

女性が苦手な彼。
信長の提案で、
彼の女性恐怖症克服のため、
力を貸してくれた彼女。

最初は困った事になったな
と思っていたのに。
何度も訪ねては彼に笑顔を向けてくれ、
小鳥になってくれたり、
調剤に付き合ってくれたりと、
真摯に向き合ってくれた彼女。

そんな彼女の思いに、
なんとかして応えたいと
心から思った灯篭流し。
彼は思い切って
彼女の手を握る事が出来た。

それがキッカケとなり、
彼は見事女性恐怖症を克服。

ところが、それを信長に知らせた所、

これで桔梗も無理に家康の元に
通わずとも済むな。


そう言われてしまった。

確かに信長の言う通り。
けれど、二人は、その言葉に、
少なからず動揺していた。

だって、これからも、
当たり前のように共に過ごせると
思っていたから。

何より彼は安土では客人であり、
いずれ三河に戻る身なのだから。

当たり前と思っていた共に過ごす時間。
けれど、それは特別なもので、
二人にとって、
何より大切な時間となっていた。

そうして秀吉一行を送るための
御前試合を迎えた時、
半兵衛の術により、
景品として
その場にいた信長の愛馬が暴走。
信長目掛けて暴走するそれを止めようと、
彼女は若武者七助の姿のまま、
くないを投げた。
ただ信長を救いたくて。
彼の目指す、みんなの目指す
天下布武の夢を守りたくて。

けれど、それがアダになってしまう。

その後、半兵衛により用意された
偽の文と忍法帖が発見された事と、
七助姿の彼女がくないを投げた事により、
安土の盾が
裏切ったとされてしまったから。

伊賀を攻めよう!

評定に参加した者たちからは、
口々にそんな声が挙がる中、
信長が決断を悩んでいるそこで、
彼は彼女を安土の盾を擁護した。

だって、誰よりも知っているから。
安土の盾と呼ばれた彼女が、
どんな人物であるかを。

そうしてそれでも伊賀を攻めるのならば、
自分は伊賀につくとまで言い放った彼。

いつもはおとなしく、
自分から決して揉めるような事など
言わない彼が、
そうまでしても守りたかった彼女。

そんな彼の想いに動かされた信長は、
ならば伊賀に行き、
伊賀が謀反を起こさない証を持て

…と命じる信長。

そうして彼は伊賀に向かい、
彼女は小鳥の姿で彼を追った。

道中、とある寺の近くで
小鳥の巣が落ちている事が気になった彼は、
寺へと近づき、
その寺に閉じ込められていた官兵衛を発見。
彼の言葉で、
今回の事件の犯人が半兵衛である事、
爪に毒を仕込まれた野犬が
城へ向かっている事を知らされた。

官兵衛のその情報を元に、
彼と彼女は急ぎ安土城に戻り、
二人の活躍により事なきを得た。

そうして
捕らえられそうになった半兵衛が
自害しようとした時、
彼が調剤の腕を活かして、
その生命を救った。

そんな風に償うなんて、
絶対にあってはならない
…と。

両兵衛は秀吉預かりとなり、
秀吉軍には、
一日も早い四国平定が言い渡され、
それが今回の償いだという信長。
その影にも、彼の口添えが。

彼女と過ごして得た自信と、
一連の事件により、
彼は三河に戻り、
立派な領主となるため励みたいと、
安土を立つ事に。

領主として励みながら、
調剤も今まで以上に勉強して、
また人を助けられる薬を作りたいと。

そんな彼の望みは、
これからも彼女と共にある事。
だから三河に来て欲しいと。

とてもうれしい申し出なのに、
安土を護りたい彼女は迷ってしまう。
そんな彼女の背中を押したのは信長。

そなたが護りたいのは、
みなの夢、天下布武であろう。
ならば場所は安土でなくとも叶う。
余の同盟相手、家康の元であってもな。


そんな言葉に背中を押され、
彼とある事を決めた彼女。

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これから先も様々な困難が
待っているかもしれませんが、
ずっとあなたを守りたい。
あなたに側にいて欲しい。


こんなにも大切に思える女性は、
あなた以外にいないのだから。

下天の華 with 夢灯り/徳川家康

小野賢章さん演じる徳川家康さんのネタバレ感想です。


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薬として人を助けてくれるような植物を、
僕は絶対、毒として使ったりはしません。


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それはまだ彼が幼かった頃、
武家である彼の家は、
彼を織田家の人質として差し出しました。

織田家の人々は、彼にとても親切で、
だから彼は、自由に野山を駆け回り、
武芸を学び、学問を学ぶ事が出来た。
決して辛い人質時代ではなかったのです。

だから彼は気づかなかった。
周りの人間、
織田に使える他の家の子供が、
人質である彼が優遇される事に、
不満をいだいているなんて。
だって彼はまだ幼かったから。

そんな彼に、ある日とある武家の姫が、
私を嫁にしなさい!
…と言い寄って来た。

あなた、年の割に背も高いし、
顔も綺麗だから気に入ったわ。
私を嫁に迎えなさいよ。
人質のあなたに、
私の家の家柄はもったいないくらいよ。
さぁ、嫁に迎えるって言いなさいよ!


強くそう迫る武家の姫。

でも、僕はあなたの事を良く知らないですし、
第一、人質の身である僕の一存で、
そのような大事な事を決めるわけには…。


困ってしまう彼。

そうして執拗に彼に抱きつき迫る姫に、
耐えられなくなった彼は、
離してください!…と、
姫を自分から引き剥がした。

した事はただそれだけ。

なのに、姫は引き剥がされたその力で倒れ、
たまたま姫が倒れた所に、
運悪く木の枝が出ていて、
怪我をしてしまった。

怪我は幸い大した事はなかったものの、
プライドを傷つけられたのでしょう。
人質のくせに…と。

だから姫の家に、
何度もお詫びに訪ねたものの、
一度も会って貰う事はかなわないまま、
噂が流されてしまった。

人質の分際で織田家家臣の姫に迫り、
断られた事に腹を立てて怪我をさせた…と。

そうして彼はその一連の出来事から、
女性はもろく傷つきやすいから怖い。
敵に回すと、
恐ろしい存在なのだと思い知った。

以来、ただ女性が怖くて、
顔もまともに見られなくなり、
そんな自分の視線を隠すため、
前髪を伸ばし、顔を隠してしまった彼。

武芸に秀で、政治の知識も豊富、
薬学にも通じていて、調剤も得意。
そんな多才な人でありながら、
おどおどと、
いつも自信なさげな領主に育ってしまった彼。

そんな彼の元に突然現れた明智の姫。
信長の頼みにより、
時折彼の家を訪れては、
逃げてしまう程女性が苦手な彼に、
いつも根気強く付き合ってくれた。

そうして時折共に出かけ、
彼が趣味の薬草の話をしても、
普通の人がつまらながるような話をしても、
とても楽しそうに耳を傾けてくれる彼女に、
次第に惹かれて行った。

けれど、彼は知ってしまった。
彼女は明智の姫ではなく、
光秀により雇われた忍びだった事を。
そうして光秀が企てた
信行を陥れる罠のため、
鳥兜から毒を作った事を知った彼は、
失望した。

彼にとってそれは人を癒やす薬草。
けれど、忍びの彼女にとって、
それは人を殺める毒草。

一度はとても近づいた二人の距離が、
彼が彼女に失望した事で、
再び離れてしまった。

けれど、彼女にそう告げた後、
彼は思い出した。
いつからか、
彼女がとても辛そうにしていた事を。

忍び故に、主の命には逆らえない。
だから鳥兜から毒を作ったものの、
それを悔いていたから、
彼女はあんなにも辛そうにしていたのだ…と。

確かに僕は彼女の行動に傷ついたけれど、
彼女もまた、
僕の言葉に傷ついたに違いない。


そう後悔したものの、
そのまま信長と共に上洛する事になった彼は、
本能寺へと向かう事に。

道すがら、飛んできてくれた鳥に、
彼女との事や、後悔を聞いて貰った彼。
鳥の正体が変化の術を使った彼女だと知らずに。

そうして夜を迎え、
信行の軍勢が、信長を亡きものとするため、
本能寺を襲撃。

普段は刀を使う事を好まない彼も、
刀で必死に戦った。
武芸に秀でている彼は、
剣の腕は素晴らしくとても強い。
けれど多勢に無勢。
一人では到底かなわない。

もう無理かもしれない。

僅かに諦めの気持ちが生まれた頃、
彼女は現れたのです。
くないを手に、彼を助けに。

続いて、安土で留守を
預かってくれているはずの、
彼の家臣たちも、大勢駆けつけて、
信長と彼を助けてくれたのです。

命がけで彼を助けに来てくれた彼女と、
燃え盛る本能寺で共に戦った後、
彼は心に決めました。
立派な領主になろう…と。

信長の夢見る天下。
穏やかで優しい時間がそこにはあり、
その時間を民を護るため、
立派な領主になりたいと。

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時間はかかってしまうかもしれません。
とても果てしない道のりかもしれません。
だけど、どうか、
僕と共にその道を歩んでもらえませんか?
あなたが側にいてくれるのなら、
きっと辿り着ける気がするから。