2017年3月29日水曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/シン(CROWD SUSPENSE)

柿原徹也さん演じるシンのネタバレ感想です。


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おまえはオレにとって、
宝物みたいに大切な存在なんだ。


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記憶を失ってしまった彼女。
そんな彼女にとって、
生まれた時から一緒で、
幼なじみで大切な存在で、
恋人で…という自分の感情は、
重すぎるんじゃないか?

優しい彼は、そんな事を気にかけて、
あまり彼女に気持ちを伝えられなかった。

更には彼女が記憶を失うキッカケになった
…とみんなが思っている信濃での事件。
その件で、彼は薄々犯人が
トーマだと気付いていたから。
それを彼女に悟られて不安にさせる事なく、
それとなくトーマが犯人である証拠も探したい、
なんて事も考えていたから。

だから彼女に
色々と知られる訳にはいかなかった。

ただでさえも記憶を失くして不安だろうに。
余計な心配掛けてどーすんだよ。


そう思った彼は、
全てを一人で背負い込んで、
そのまま警察に疑いを掛けられ事情聴取に。

そんな彼を心配している彼女が、
ある日のバイト帰り、
夕焼けに見とれながら思い出した記憶。
その記憶に導かれるまま走りだして、
気付いたら工事現場のような
建物の崩落事故に巻き込まれ、
脱出不可能な状態に陥っている
…なんて事も知らないまま。

事情聴取はまだ続くから、
ハッキリと潔白が証明されるまで、
会うのを控えよう。

彼はそんな風に考えていた。
だって、会ってしまって、
甘えてしまったら、
歯止めが効かなくなってしまいそうで
怖かったから。

それでも事情聴取と言う名の
脅迫に疲れた彼は、
部屋を外から眺めるだけでも…と、
彼女の家に。

辿り着いたそこにはウキョウが居て、
店を休んでいる事や、
家も留守にしている事を聞かされた彼。

心配になり、冥土の羊で訊ねてみると、
彼の事件の事を調べたいからと
数日休みを取っている事が判明。
自宅を調べてみると、
普段使っているバッグや帽子などがない事から、
自主的に外出した事も判明した。

ただ、電話を掛けても出ないので、
どこにいてどんな状態なのかが分からない。

彼女のことを最初に教えてくれたウキョウは、
話の途中でモードが切り替わり、
俺が殺す前に死んでくれたんだ
のような不穏な言葉を発して、
どこからどう見ても不審人物な上に、
どうやら彼女を狙っている様子も見て取れた。

そんな事もあった為、心配になった彼は、
トーマに相談。
二人で彼女を捜索することに。

電話を時折掛けてはみるものの、
掛けられた彼女はと言えば、
無事ではあるが、
瓦礫に出口を塞がれて出る事も叶わない上に、
ケータイが瓦礫の下敷きになっていて、
電話にでる事も叶わない。

ケガをしているし、
飲み物も食べ物もない状態で、
辛い中、それでも力を振り絞り、
閉じ込められたそこを調べた所、
どうやら店だった所だと判明。

店内を捜索した事で
見つかったメジャーを使い、
ケータイを取り出す事が出来た彼女は、
深夜に彼に電話を。

彼女が帰宅するかもしれない
…という期待の元、
彼女の部屋で仮眠を取っていた彼は、
すぐに着信に気付いて、彼女の無事を確認し、
彼女の居場所のヒントも手に入れた。

所が、正確な場所は彼女も分からず、
お店で工事現場のようになっている
…という情報のみ。

それでも色々な手段で捜索を試みるが、
トーマと二人、
結局成果を上げる事が出来ないまま、
一日が終わってしまった。

翌日も何も手がかりになるものを見つけられず、
もう自分が犯人と疑われてもいいから、
警察に動いてもらうしかないかと思った矢先、
電話で彼女と話していると、
彼女との通話が突然途切れた。

それでも冷静に思い返し、
電話越しに聞こえた
メロディーを思い出した彼。

そう、それはザリガニ公園から聴こえる曲で、
夕方のある時間になると、
子供達に帰宅を促す為に
流される曲だった。

小さい頃、探検ごっこをした時も、
迷子になってしまった彼らは、
その曲に導かれ、
無事にザリガニ公園に辿りいた事があった。

彼女の見た記憶は、その探検ごっこ。
その時、迷子になった
メンバーの中の何人かが、
原因はシンくんだと彼を責めた。
けれどそんな彼を彼女は必死に庇った。

シンくんは優しくていい子だよ。

彼女の言葉に、

変なの?
シンの事好きなのかよ。


…という子供達。

へんじゃないよ、大好きだよ。
シンくんが大好きなの!
シンくんは悪くないんだもん!!


大声で言い泣き出した彼女。

そんな思い出を彼も思い出して、
そうしてザリガニ公園の近くに、
探検の時本部と勝手に呼んでいた
駄菓子屋を思い出した彼。
現在は取り壊され、そこはビルになり、
その地下がスーパーだった事を思い出した。

そうして彼女の居場所を突き止め、
瓦礫を崩して無事に救出してくれた彼。
大切な思い出を互いに思い出しながら、
無事に再会を果たしたのだった。

その後、二人で改めて現場に。
近くのコンビニで駄菓子を買って、
トーマも呼んで
三人で食べようという彼。

変わらないままで居るのは無理だけど、
変わらずに大切にしたいものも
あるって思うから。

幼なじみの関係を壊したがっていた彼が、
そんな事を口にしてくれたのだった。

そうして彼女に
色々な想いを話してくれた彼。
ずっと重いと思って遠慮していた事が、
逆に彼女を不安にさせたから。
だからこれからはちゃと伝えよう。
どんな想いも言葉にして。