2017年3月18日土曜日

AMNESIA LATER X CROWD V Edition/シン(LATER After Story)

柿原徹也さん演じるシンくんのネタバレ感想です。


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キスする度、拒否られるとか、
流石に傷つくんだけど。


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事件は無事に解決し、
この街に戻ってはいないものの、
トーマさんも日常に戻り、
ヒロインの通院も終わった頃のお話。

好きだから近付きたい、
おまえに触れたい、キスしたい。


そんな当たり前の欲求のある彼は、
彼女の隙を見つけてはキスをする。
けれどその度に
彼女の反応が気になってしまう。
だって彼女が好きだから。

好きならもっと
嬉しそうにするだろ?普通。
なんで、そんな
つらそうな顔してキスする訳?


彼女はキスが苦手なのだが、
彼にはそれが理解出来ない。
だってお互い好きで一緒に居るんだから、
二人きりになりたいし、
触れ合いたいハズだと思うから。

一方彼女はと言えば、
彼が好きだからドキドキする。
それなのにキスなんてされたら、
心臓が壊れてしまう程ドキドキして、
翻弄されて
おかしくなってしまいそうで怖い。

そんな互いのキスに対する
感覚の違いがあるのに、
二人共それを言葉にしないから、
どうしても相手に伝わらない。

大学受験を控えた彼は、受験勉強が忙しく、
学校の後は予備校通い。
会う事すらままならない日々の中、
そんな事でなんとなくこじれてしう二人。

結局、

無理強いをして
辛い思いをさせるのは嫌だから、
幼なじみの距離で様子を見よう。
別に別れる訳じゃない。


そんな提案をする彼。

所が彼のその提案に、ホッとしている反面、
寂しさも感じている彼女。
このまま本当に幼なじみに
戻ってしまったらどうしよう?と。

そうして微妙な距離感の中、
冥土の羊のみんなが
開いてくれた彼女の全快祝い。
その席で恋愛経験豊富なイッキに、
彼との現状を相談する彼女。

そうしてイッキのくれたアドバイスは、

そう感じているのなら、
今度は君から近づいたらいい。


と言うもの。

アドバイスに従い行動してみるものの、
彼女らしくないそれに、
誰の入れ知恵なんだ?」と訝しがる彼。
その為、アドバイス通りには
行かなかったものの、
その事がキッカケとなり、
互いに心の中に留めていた思いを
伝え合う事に成功。

こじれてしまった原因は速度の違い。
急ぎすぎる彼の想いに、
のんびりな彼女はついていけず、
どうしても
遅れてしまっていただけだった。

それに気付いた二人は、
少しずつ互いの歩調を合わせるように。
そうしてそれはいつしか
とても自然な二人の歩調に。

幼なじみだった彼女。
そんな彼女に想いを告げた時、
家族としか思えないと
言われた事もある彼。

けど今はもう違う。

ずっとシンの隣に居たい。

ハッキリと彼女はそう言ってくれたから。
いつまでも
子供では居られない二人だから、
幼なじみのままでは、
いつか互いに恋人が出来て、
二人で一緒に居られなくなってしまう。
だから男と女として、
こうして向き合う以外に、
ずっと一緒に居る」術はなかった。

その事をちゃんと彼女も理解出来るように。

そうして理解した上で、
ずっとシンが好き、
ずっと一緒に居たい
…と、
言ってくれた彼女だから。

だから彼は母親から譲り受けた
指輪を彼女に渡した。

場所は思い出の公園。

それはまだ二人が幼かった頃、
手を繋ぐ事も恥ずかしくなかったし、
好きの意味も多分今とは違っていたけど。
そんな幼い日に、
シンとトーマと結婚したい
そう言い出した彼女に、
トーマを押しのけて
俺、おまえと結婚する、大好きだから
彼はさらっとそう応えた。

あの時は幼さゆえの
言葉だったかも知れない。
けれど今は違う。
ちゃんと好きの意味も変わって、
それでもずっと
彼女が好きだと思ったから。
ずっと彼女の隣に居たいと思ったから。

傷つけたり悲しませたり、
絶対すると思うけど、
その直後には俺と居て良かったって
思わせたい
…と心から思うから。

だからあの日の約束を本物にする為に、
母からもらった指輪を
彼女の薬指に嵌めてプロポーズ。

彼氏って軽い気がするから怖い。
幼なじみならずっと一緒に居られるけど、
彼氏になったら
「別れる」っていう選択肢があるから。


そんな不安を口にした彼女に、
別れるなんて選択肢は
自分にはないんだって伝えたくて。
まだ高校も卒業して居ない彼だけれど、
早く彼女に安心をあげたかった。

そんな彼の思いがけない言葉に
驚いてはいたものの、
やっぱり彼女も
彼との未来しか思い描けないから、
その嬉しいプロポーズに
はい」と応えた。

ずっと「幼なじみ」に
こだわっていた二人だったが、
彼のお母さんはもうずっと前から、
彼女を未来の息子の嫁として見ていて、
近いうちに嫁に来てもらう子なんだから、
大事にしなさいよ

なんて言って指輪をくれていた。

あぁ、そうか。
ただ俺がその言葉に
こだわってただけで、
ちゃんと母親には
嫁に来る女の子に見えてたんだ。


母の言葉にそう気付いた彼。

幼なじみから恋人になった二人。
まだ学生の二人だけど、そう遠くない未来、
今度は夫婦として
共に歩いて行く日が来るに違いない。

速度の違いに悩んだ事もあったけど、
今はもう大丈夫。
ちゃんと二人の二人だけの速さを
互いに知る事が出来たのだから。