2017年4月7日金曜日

Enkeltbillet/アレクサンダー・ニールセン

細谷佳正さん演じる
アレクサンダー・ニールセンの感想です。


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彼はホテル・リュースの支配人の息子で、
肩書的には、一応副支配人。

所が彼は両親の離婚の事で父ともめて以来、
実家を飛び出して一人暮らし。
何やら危なくてお金になる仕事をして
暮らしている彼は、
父の居る実家は勿論、
ホテルにも寄り付かない状態だった。

そんなある日、
いつもの電話での危ない仕事の依頼で、
日本人のスーツケースを処分しろ…といわれ、
指示された通りに処分した彼。
それが彼女のスーツケースだった。

その時に、何かきになったのだろうか?
彼はお守りをそこから持ってきてくれて、
ホテル従業員のカミラから、彼女の話を聞き、
あのスーツケースの持ち主に
違いないと思った彼は、
今まで疎遠にしていたホテルを訪れて、
彼女にお守りを渡してくれた。

スーツケースの処分は仕事でした事。
けれど実際に持ち主に会ってしまうと、
根は優しい人なので罪悪感を感じ、
彼女がアーベスタを去るまでに、
新しいスーツケースを
買ってやりたいと思った彼。
その罪悪感からか、
彼女をよく観光に
連れ出してくれたりもした。

言葉の分からない彼女に辞書を買い与え、
紙に英語を書いてやりとりしてくれる。
粗野な言動ではあるものの、
とても面倒見のいい一面を
見せてくれた。
そんな彼の父のホテルは、
彼女が来るまでは
お客が一人も居なかったのに、
まるで彼女が招いたかのように、
スイートルームを初めとして、
部屋が埋まり出した。

けれども長年借金をしながら
なんとか保たせていたホテル。
今回の大盛況は一時凌ぎにしかならず、
結局支配人の代で、ホテルを辞める事に。

彼にとっても、そこは大事な場所で、
刑事をしていた父が居ない時に、
母と二人で
沢山の時間を過ごした思い出の場所。

何とかしてやりたいと思った彼だったが、
危ない仕事の事を父が知っていて、
その仕事をしている限りホテルに近づくな、
彼女にも会わせない!と言われた事や、
彼女にも危ない仕事を続けないでと
頼まれた事により、考えさせられた。
そうして、仕事を回してくれている
元締めの名前を父から聞き、
直接会って仕事を断った。

そのため、暫くは安全のため、
身を隠すように言われていて。
そんな状況の自分では手伝えないと、
泣く泣くホテルを諦める決意を。

所が従業員や支配人は諦めなかった。
9月末まで悪あがきをしてやろう!と。

そんな様子に
泊まっていた大企業の社長のジムと、
スーパーモデルのエミルが、
ホテルの最後を見届けると、
9月末まで宿泊を延期。
彼女達が帰国した後も泊まってくれる事に。

ジムにビジネス向けに
ターゲットを絞ったらどうかと
アドバイスを貰い、
いよいよこれから本気の悪あがきを!
と思った矢先。
彼女を見送った彼の元に、
エミルがやってきて、
支配人が倒れたとの知らせが。

命に別状はないものの、
ホテルを立て直す事が
出来なくなり迎えた9月末。
支配人不在のまま副支配人の彼により、
ホテルが閉じられようとしていた時に、
エミルがこのホテルが好きだから…と、
内装の改造費用と小切手をくれた。

さらにはジムも、
自分もアーベスタにこのホテルが無くなると、
泊まる所が無くなるから
…と、
外装改装費用を出してくれた。

未来のリュースへの投資だと言う二人。

また、彼女達と共に帰国した高階からも、
彼の会社の海外事業部の研修の宿泊先として、
リュースを使うと言う伝言も。

更には、増島の旅行会社からも、
このホテルに宿泊するプランが
通ったと言う知らせがあり、
仲谷も建築の勉強をしている友人達と、
ホテルに合う家具を作って
寄付してくれる事に。

彼女が繋いだ沢山の縁が、
彼女が愛した人のホテルを守ってくれた。

そうして生まれ変わった
ホテル・リュースは大盛況で、
彼は忙しくなったものの、
日本に彼が行ったり、
彼女がアーベスタに向かったりと、
互いに時間を作って愛を育み、
結婚に向けて進んでいる様子。
たった10日間。
でも、その10日は彼女に困難だけでなく、
それを乗り越える力、
支え合える仲間、
そして掛け替えのないパートナーを
もたらしてくれたのだった。