2017年5月6日土曜日

Dance with Devils/楚神ウリエ

近藤隆さん演じる
楚神ウリエネタバレ感想です。


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ねぇ、この気持ちが満たされるまで、
相手をしてよ。


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夢魔の家系に生まれた
彼の両親は不仲だった。
魔界六貴族の1つである
フューザー家の血を残すと、
次々と女遊びの絶えない父のお陰で、
母の他に沢山の妾が居て、
兄弟は30人を越えていた。

そんな父に愛想を尽かした母はと言えば、
父を悪し様に言いながら、
自分も外に男を作っている始末。

家に寄り付かない両親と、
異母兄弟だからか、仲が悪かったり、
無関心だったりの兄弟。

更には長男の彼は、
特に父に似ている事から、母に疎まれ、
こんな子を作らなければ良かったと、
存在を否定されてしまう。

そんな彼にとって唯一の救いが幼馴染のレム。
完璧な彼が自分を買って頼ってくれる。
その事がたまらなく嬉しくて、
気付いたら家族よりも多くの時間を
彼と過ごしていた。

それでも満たされない。
綺麗な蝶々達に癒しを求めても、
残るのは虚しさだけ。
それでも一時の慰めをと、蝶々達と戯れる。

そんな彼にとって、
グリモワールの器の彼女は、
みんなのほしがる珍しい蝶々だった。
そう、最初はそれだけだったのに。

他の蝶々たちのように
簡単に自分に落ちない彼女に対し、
次第にイライラが募り始めた。

なんだってこんな気持ちになるんだろう?
僕らしくない。


彼にも理由が分からなかった。

そうして何をしても満たされない彼は、
女の子に囲まれながらも思って居た。
母に存在を否定された自分を
心から愛してくれる者など居ないと。

なのに彼女は違った。
彼の笑顔に隠れた寂しさを見抜き、
本機で心配してくれたから。

そうしてダンスパーティーの時に
気付いてしまった。

グリモワールの器だから、
いずれレムのものになるとしても、
僕は本当は誰か他の男が
君に触れるなんて耐えられない!


そう思うほどに彼女に夢中になっている事に。

もう隠すこともごまかす事も出来ない。
ただ彼女を愛してしまったから。

そうしてやっと気持ちを交わすも、
その夜にヴァンパイアの王が學園に現れて、
彼女の血を欲した。
それがグリモワールを手に入れると言う事。

その力は彼女の血に宿り、
手に入れるには、
その全身を流れる血を飲み干すしかない。

そうして狙われた彼女を助けるために、
生徒会の3人と、兄が命がけで逃してくれた。

二人で逃げてたどり着いたのは長野の祖父の家。
兄が祖父とエクソシストの修行をしていた洞窟で、
二人は祖父のノートを見つけ、
そこにグリモワールを
消滅させる可能性が書かれているのを見つけた。

アクマとヒト、両方の血が
混ざっているから力が宿るのならば、
どちらか一方の血を消してしまえばいい。

だから、彼の力で
アクマに堕とされることを望んだのに。

翌日目覚めた彼女からは、
二人で過ごした記憶が消えて、
ただ彼に忠実な眷属になっていた。

欲しかったのはあの日の君。
けれど、こんな可能性だって分かっていた。
それでも、どうしても諦めたくない。
どこまでも真っ直ぐで強情な、
芯の強い君に会いたい。


彼女の記憶を戻すために色々な事を試すも、
全く記憶は戻らず。
助け出した母に会わせても、
兄の姿を見せても効果は見られない。

諦めた彼は、あの想いの通じあった
奇跡のような瞬間を再現したくて、
魔界に帰るリミットギリギリ、
あのダンスパーティーの場所で、
あの日のドレスで再び彼女とダンスを。

彼の悲しそうな顔を
記憶がないながらも案じる彼女は、
ダンスをしながら
頭に何かフラッシュバックするものを感じた。

そうしてダンスがきっかけとなり、
忘れていた全ての記憶を取り戻した彼女。

その後、魔界のフューザー家で、
彼と共に暮らす事になった。